包帯クラブ 2007-09-15
解説
心に傷を負った人々を癒すため、依頼の場所に包帯を巻いて回るクラブを結成した若者たちの青春ストーリー。「家族狩り」の天童荒太が書き下ろした原作を、『明日の記憶』の堤幸彦監督が映像化した。奇抜な行動を繰り返す主人公ディノを『誰も知らない』柳楽優弥、ディノと出会う女子高生ワラを『北の零年』の石原さとみが好演するほか、注目の若手キャストが集結。人知れず傷ついている少年少女たちの心の再生劇に胸が熱くなる。
あらすじ
高校3年生のワラ(石原さとみ)は、地方都市の団地に母と弟の三人で暮らしていた。近所のスーパーマーケットでアルバイトしながら家計を助けるワラには、卒業後は地元で就職するという選択肢しかない。同じような家庭の事情を抱える全国の同世代のように。そんなワラは家事の最中に誤って手首を切ってしまい、病院で治療しを受ける。その後、病院の屋上に立った彼女は、フェンスから街を見下ろす。そこに現れたのは、入院患者のディノ(柳楽優弥)だった。ワラを自殺志願者と勘違いしたディノは、ワラの手首に巻かれた包帯を手に取って、フェンスに結びつける。風にたなびく包帯を見るワラは、心の傷までもが癒される気がした。ワラは、ディノをはじめ親友のタンシオ(貫地谷しおり)やギモ(田中圭)を巻き込んで、「包帯クラブ」を結成する。その活動とは、インターネットのサイトを通じて、口にはできない「心の傷」を募集。その思い出の場所に「包帯クラブ」のメンバーが包帯を巻いて手当てして、その写真を無償で投稿者に送るというものだった。それからは、街のあちこちで白い包帯がたなびくようになっていった。サッカーの試合のゴールで失敗した少年には、包帯を巻いたゴールポストの写真。美容院で髪型より顔を変えろと言われた女性には、美容院の前で包帯巻きにされて泣いているタンシオの写真。投稿がくるたびに、メンバーたちは知恵を絞る。しかし、他人の傷に触れることで、メンバーたちの心の奥の傷も痛むようになっていった。評判になっていくと同時に、「包帯クラブ」の活動は波紋を巻き起こし、批判にも晒されるようになる。その活動は偽善だと攻撃されて、サイトは閉じられ活動も休止状態となる。そして、「包帯クラブ」を最も必要としていたのは、自分たちだったことを知る。それぞれのトラウマから開放されたワラたちは、未来に向かって歩んでいくことを心に誓う。