ボーイ・ミーツ・プサン 2007-09-22
解説
韓国の釜山(プサン)を舞台に、そこで偶然出会った男女のつかの間の交流を描いた青春ドラマ。言葉も通じない土地で戸惑いながらも異文化交流を楽しむ主人公を、『美しい夏キリシマ』の柄本佑が自然体で演じる。個性的なヨーコ役には、テレビドラマ「時効警察」シリーズの江口のりこ。監督は、井筒和幸や李相日らの下で助監督を務め、本作で監督デビューを果たす武正晴。釜山国際映画祭の協力によって撮影された、現地の活気をとらえたリアルな映像が印象深い。
あらすじ
韓国の釜山に観光用プロモーション撮影のため一人で派遣された新米ディレクターのクリハラ(柄本佑)。しかし到着してもガイドとも出会えない。戸惑い不安になりながら街を彷徨うクリハラ。だがそこは日本とほとんど変わらず、活気に満ちていた。町並みを撮影している最中、スクランブル交差点で奇妙な女性ヨーコ(江口のりこ)に出会う。何気なくカメラを回していると彼女は赤信号を渡ろうとして車に吹っ飛ばされる。クリハラが駆け寄るとヨーコは「勝手に撮らないで」と言い残し去って行く。丁度その時釜山では釜山国際映画祭が開催されていた。クリハラは宿に帰り、撮った素材を確認していると昼間出会ったヨーコの強い視線が心に強く残る。次の日もガイドとは落ちあえず、仕方なく釜山の観光名所を巡る。駅のホームで電車を待っていると反対側にホームから転落しそうなヨーコを発見する。あせったクリハラは猛ダッシュで反対ホームに走り、ヨーコを追って電車に乗り込むが、行き違う。次の日の早朝、ガイドから一方的にビーチで待ち合わせにされてしまったクリハラは、砂に埋もれているヨーコと再会する。自由に振舞うヨーコに戸惑いながら、二人はまるで恋人同士のように町中を観光して回る。夜、酒に酔っ払った二人はモーテルへ。コンドームを握り締めて部屋に戻ったクリハラは韓国語で電話でしゃべり続けるヨーコに声をかけることも出来ず、バスルームに行く。次の日、バスタブで眠っていたクリハラの頭上に水が降り注ぐ。仰天して目を覚ますクリハラ。バスルームから脱出し、部屋を覗くとすでにヨーコの姿は無かった。一人モーテルからの帰り道、映画祭の大きな看板で、クリハラは日韓合作のホラー映画の看板の中にヨーコの顔が描かれているのを発見する……。