アイコ十六歳 1983-12-17
解説
堀田あけみの『1980アイコ十六歳』を今関あきよしが監督した青春映画。脚本は今関と秋田光彦、内藤誠、桂千穂が共同で執筆した。大林宣彦が製作総指揮を務め、サザンオールスターズが音楽を担当。富田靖子と松下由樹は本作でデビューを飾った。
名古屋市内の県立高校に通う三田アイコは、一学期の終業式の帰りに、中学時代に付き合っていたあいつを見かける。中学を卒業してから連絡を取っていなかったが、あいつが女の子と一緒にいるのを見て、アイコの気持ちは揺れてしまう。二学期、アイコのクラスに、弓道全国大会に入賞したことがある島崎愛子先生が赴任してきた。アイコは島崎先生に憧れるが、妊娠中だった先生が自殺未遂をしたと聞き…。
あらすじ
三田アイコは名古屋市内の県立高校に通う一年生。一学期の終了式の日の朝、いつものように屋根の上でポケッと夢見ていたアイコは母親におこられ、急いで学校へ出かけた。通知表をもらっての帰り道、アイコは中学時代につきあっていたあいつが女の子と一緒にいるのを見かけた。中学卒業以来、彼とは顔もあわせていないが気にはかかっている。夏休み、アイコは弓道部の合宿に出かけた。合宿でも同じクラスのかわいこブリッコの花岡紅子が、男子やキャプテンに媚をうり、アイコたちの悪口総攻撃にあっている。合宿から帰ったアイコは、親友のゴンベに呼び出されあいつが暴走族に入ったことを聞かされる。2学期が始まり、アイコのクラスに生物担当の島崎愛子先生が着任。彼女は全国大会入賞の経験もある弓道の選手だった。授業中にも生きることについて熱心に説いてくれる先生にアイコはぞっこん。ある日、弓道場の清掃のことで紅子と衝突したアイコは、母親に「死にとうなったわ」と告げ手首を切る。翌朝、アイコは早朝練習に弓道場へ出かけ、そこでひとり弓をうつ島崎先生を目撃した。数日後、島崎先生の自殺未遂の報告が届く。しかも先生は妊娠中だったという噂にクラス中大騒ぎ。その中、アイコは皆にむかって自分の胸の内を泣きながら訴える。話終わった後、紅子の拍手が聞こえてきた。病院に島崎先生を見舞ったアイコはそこで紅子に会う。二人で帰る途中、暴走族の群れにぶつかり、その中の一人がパトカーを飛びこえようとして失敗し命を失ったのを見たアイコは、それがあいつのような気がして、錯乱して家に帰った。翌朝、学校を休んで屋根の上にいるアイコのところへ、ゴンベたちがやってきた。そして、アイコはくよくよせず頑張って生きていこうと思うのだった。