さいはてにて ~やさしい香りと待ちながら~ 2015-02-28
解説
奥能登の地に焙煎珈琲店が開かれたのをきっかけに知り合った女店主とシングルマザーが、やがて家族のような深い結びつきを持つヒューマン・ドラマ。2011年に世界農業遺産に登録された地域の一つである石川県珠洲市を舞台にしている。監督は、ホウ・シャオシェンやエドワード・ヤンのもと演出を学んだ台湾出身のチアン・ショウチョン。ある理由のため故郷・能登に戻り焙煎珈琲店を開いた女性を「八日目の蝉」「好きだ、」の永作博美が、彼女と彼女の珈琲に出会い笑顔を取り戻すシングルマザーを「アフロ田中」「天使の恋」の佐々木希が演じる。ほか、「希望の国」の村上淳、「釣りバカ日誌」シリーズの浅田美代子、「毎日かあさん」の永瀬正敏らが出演。
あらすじ
石川県能登半島の中でも最も北側にある奥能登。東京から故郷である奥能登に戻ってきた吉田岬(永作博美)は、日本海に面した海辺の舟小屋を改装し、焙煎珈琲店・ヨダカ珈琲を開く。ヨダカ珈琲の向かいにある民宿には、有沙(桜田ひより)と翔太(保田盛凱清)という小さな子を二人抱えたシングルマザー、山崎絵里子(佐々木希)が住んでいた。絵里子は金沢で働いており、絵里子にとって頼りの綱である山崎由希子(浅田美代子)は入院中のため、幼い姉弟ふたりきりになることも多かった。姉弟の目にはたびたび訪れてくる絵里子の交際相手(永瀬正敏)も恐ろしく映っていた。姉弟は家の近くにオープンした珈琲店に興味を持ち、次第に姉弟と岬の距離が縮まっていく。一方、絵里子は考え方の異なる岬に嫌悪感を抱いていたものの、岬を助けたことから友情を持つようになる。やがてヨダカ珈琲には有沙の担任教師・城山恵(臼田あさ美)ら地元の人々にも馴染んでいく。店には岬と絵里子、子どもたちの笑顔が満ち、岬にとってかけがえのない場所となっていた。そんな中、岬が奥能登に戻ってきた一番の理由である父について、ある事実を知ることになる……。