ビリーバーズ 2022-07-08
解説
カリスマ的人気を誇る漫画家・山本直樹が「カルト」的な宗教団体をモチーフに人間の欲望をあぶり出した20世紀末の問題作を、「アルプススタンドのはしの方」「愛なのに」で大ブレイク中の遅れてきた天才、城定秀夫監督の熱望により実写映画化。俗世の汚れを洗い落として「浄化」されることを願い、外界との接触を絶って孤島で精神修行に励む3人組には、主人公の「オペレーター」役に「PLAN75 」など話題作出演が相次ぐ磯村勇斗、議長役に「罪の声」他でキネマ旬報ベスト・テン助演男優賞に輝いた宇野祥平、ヒロインとなる「副議長」役に22歳の新鋭、北村優衣が配された。この個性的な俳優たちが、繊細な心理描写や過酷な自然環境下のサバイバル生活シーン、物語に必要不可欠な官能的なシーンに至るまで渾身の演技で観る者を魅了する。原作漫画発表から22年の時を超えて、疫病、災害、戦争など混迷を極める時代に、生の根源を見つめる新たな問題作が誕生した。
あらすじ
とある孤島で生活をする二人の男と一人の女。「ニコニコ人生センター」という宗教的な団体に所属している3人は、「孤島のプログラム」と呼ばれる無人島での共同生活を送り、安住の地へ行ける日に思いを馳せていた。1人は本名を捨て、男の1人(磯村勇斗)は「オペレーター」、女(北村優衣)は「副議長」、もう1人の男(宇野祥平)は「議長」と名乗り、互いにそう呼び合っている。笑顔を表す顔文字のようなものがプリントされた揃いのTシャツを着て、毎日決められた「プログラム」に従って、規則正しい生活を送っていた。起床すると地面に腰を下ろし、それぞれの脚を伸ばし三角形を描くように足裏を合わせ瞑想。その後、簡素な朝食を囲み、それぞれ昨晩に見た夢の内容を報告しあう。かと思えば、今度はお互い頭に浮かんだ記号をホワイトボードに書き付け、そのイメージが通じ合っているかを確かめるテレパシーの実験のようなことを始め出す。