ラスト、コーション 2008-02-02
解説
日本占領下の上海で、抗日運動家の女スパイと、日本軍に手を貸す政府の顔役の禁じられた愛と葛藤を描くドラマ。原作はアイリーン・チャンの短編小説。出演は「傷だらけの男たち」のトニー・レオン、これが映画デビューとなるタン・ウェイ、「真昼ノ星空」のワン・リーホン。監督は「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー。2007年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞(グランプリ)、オッゼラ賞(撮影賞)受賞。
あらすじ
1938年。日本軍の中国侵攻から逃れ、香港に集団移住した女子学生ワン・チアチー(タン・ウェイ)は、香港大学の演劇部でレジスタンス派の学生クァン・ユイミン(ワン・リーホン)に出会った。仲間たちと共に抗日運動グループを組織したクァンは、日本の傀儡政府、ワン・ジンウェイ政権のスパイのトップ、イー(トニー・レオン)の暗殺計画を立てる。そのためワンはマイ夫人と名乗り、スパイとしてイーに接近することを志願した。ワンは任務に徹するため、思い合うクァンとではなく、仲間内で唯一女性経験のあるリャン(クー・ユールン)と初めての性体験を済ませ、暗殺実行に備えた。しかしその矢先、イーが大臣に昇進して上海に行くという報せが。未遂に終わり落胆するクァンたち。さらに計画を知ったイーの手下であるツァオ(チェン・ガーロウ)を殺害してしまった衝撃から、仲間たちは散り散りになってしまった。時は流れ1942年、上海。本格的なレジスタンス組織に加わっていたクァンは、上海大学の学生になっていたワンと再会。クァンはイー暗殺計画を復活させるべく彼女を説得し、新しいボスであるウー(トゥオ・ツォンファ)に紹介した。ワンは再びマイ夫人になりすまし、イーに近づく。たちまちイーとワンは男女の関係を結ぶが、次第に任務を超え、ふたりの恋愛感情は本物になって燃え上がっていった。やがてイーはワンにダイヤモンドの指輪をプレゼントしようとするが、その時にウーの一味がイーを襲い、彼はワンの正体を初めて知る。まもなくウーたちは逮捕され、その中にはもちろんワンもいた。イーは込み上げる感情を抑えながら、彼女たちの処刑を部下に命じるのだった。