17歳の風景 少年は何を見たのか 2005-07-30

監督: 若松孝二
脚本:山田孝之,出口出,志摩敏樹
公開:2005-07-30/製作:2005年    old
日本
 

解説

 北へ向かって自転車をこぎ出した一人の少年。若者たちが群れる渋谷の繁華街を抜け、なおも北へ進んでいく少年。新聞には彼や彼と同世代が起こした事件が報じられ、ラーメンを食べながら母親を殺した少年について語り合う高校生たちがいる。三国峠から六日町、柏崎から象潟、男鹿半島へと北上していく少年。やがて彼は、海辺の青海川駅の待合室で一人の老人と出会う。老人の語る戦争体験に、少年はじっと耳を傾ける。その後少年は、戦時中に強制連行されてきた在日朝鮮人だという老婆に出会い雪深い里山の家に迎え入れられる。

あらすじ

あんたはいつも遠くから見ているだけだ…。富士山を仰ぎ見ながら少年はそう呟き、北へ向かって自転車をこぎだす。若者達が群れる東京・渋谷の繁華街、朝の通勤ラッシュの人の群れに逆らうように独り歩く少年。彼や彼と同世代が起こした事件についての新聞記事、ラーメンを食べながら母親を殺した少年について語り合う高校生達。母親や勉強部屋、自分が犯したことから身を引き剥がすようにして、ひたすら自転車をこぐ少年。三国峠から六日町、柏崎から象潟、男鹿半島へと北上していく、その目に映るのは北の峻烈な風景だけである。招き入れられた雪洞で大人達が交わす会話、海辺の青海川駅の待合室で出会った老人が語るその青春と戦争体験、漁業の行末を憂える猟師達……ただじっと彼等の話に耳をそば立てるばかりで何もしない少年。そんな少年が、通りかかった村の雪道に倒れ、救いを求める老婆を背負って家まで連れていく。その家で味噌汁をかけただけの飯をほおばりながら、朝鮮から連行されてきた老婆が唄う祖国の歌を聞き、チョゴリに身を包む自分と同じ年頃の少女を重ね見る。なおも続く少年の旅。竜飛岬へ、さらに北へ、もっと遠くへと続いていく。

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