赤い月 2004-02-07

監督: 降旗康男
脚本:井上由美子,降旗康男
公開:2004-02-07/製作:2003年    old
日本
 

解説

直木賞作家・なかにし礼の実体験を基に書かれた同名小説を、『鉄道員(ぽっぽや)』の名匠・降旗康男監督が映画化。主演の波子は原作者に「彼女によって、“波子”は今再び激しく、美しく生きはじめた」と言わしめた常盤貴子。波子を巡る3人の男性に、若手実力派の伊勢谷友介、カンヌ映画祭グランプリ受賞作品『鬼が来た!』で主人公を演じた香川照之、ロック・アーティストでもある布袋寅泰が扮している。戦時下の満州で夫を失い、愛を胸に強く生きるひとりの女性を描いた感動作。

あらすじ

1934年2月、夫・勇太郎と子供たちと共に満州・牡丹江に渡った森田波子。それから10年、勇太郎はかつて恋敵だった陸軍中佐・大杉の庇護の下、森田酒造を成功させていたが、その裏で大杉と波子の不義を黙認していた。そんなある日、長男・一男の帰郷を祝う宴席で、波子は商社員・氷室と出会う。実は、彼の正体は関東陸軍秘密情報機関の諜報員。ロシア人男性・ピョトールをスパイとして利用すべく、人質に取った彼の娘・エレナを森田家に家庭教師として寄宿させ監視する役目を負っていた。しかし彼の素性を知らない波子は、いつしか彼と愛し合うようになっていたエレナに嫉妬し、エレナを奸計に陥れ氷室に彼女の首を撃たせてしまう。その後、勇太郎の留守中に戦況は悪化。「生きたい、生きて子供たちを生かしたい」と願う波子は、利己主義となじられながらも氷室に願い入れ軍用列車への乗車を許される。そして、子供たちを連れて哈爾浜へと辿り着いた彼女は、そこで勇太郎と再会するも、彼はひとり日本男児として生きる道を選ぶのであった。数ヶ月後、煙草売りとして生計を立てていた波子は、鄒琳祥と言う男から強制労働にかり出された夫の死と同時に、氷室の行方を知らされる。牡丹江から逃げ延びた氷室は、途中で足を撃たれ、鎮静剤として阿片と吸ううち、その虜となっていた。阿片を断ち切らせ、氷室に生きて欲しい。そう強く思った波子は、氷室を自分のアパートに連れ帰り必死に看病。やがて、氷室は立ち直り、ふたりは愛し合うまでになる。その時、日本への引き揚げ船出航の報せが届いた。だが、氷室は中国に残り、自らの罪を償うと言う。波子は、彼の帰りを日本で待つことを約束すると、港へ向かう汽車に子供たちと乗るのであった。

Add files...   
画像をこちらに
 
movieimg/2004/2/2824

◀︎ Back