乱暴と待機 2010-10-09

監督: 冨永昌敬
脚本:冨永昌敬
公開:2010-10-09/製作:2010年    old
日本
 

解説

浅野忠信、美波、小池栄子、山田孝之という実力と人気を兼ね備えた俳優たちが共演し、愛憎交わる奇妙な人間ドラマを繰り広げる群像劇。のぞく男とのぞかれる女に訳あり夫婦の、濃密な四角関係の行方をテンポ良く描く。演劇界と文学界の両方で注目を集める本谷有希子の原作を基に、『パビリオン山椒魚』などの鬼才、冨永昌敬監督が映画化。不器用でこっけいな人間たちが見せる切なさや優しさに、魅了される。

あらすじ

木造平屋建ての市営住宅に引っ越してきた番上(山田孝之)と妊娠中の妻・あずさ(小池栄子)。スナックへ向かうあずさを見送った番上は、引越しの挨拶に訪れた山根家で、漫画のような眼鏡にグレーのスウェット姿で熱心に読経する奈々瀬(美波)と出会う。彼女は兄と二人、二段ベッドが鎮座する部屋に暮らしていたが、明らかな挙動不審で、もじもじしながら聞かれもしないのにスウェット姿の理由を喋り出す。引越し三日目。山根家の軒先で、奈々瀬を見たあずさは驚愕する。二人は高校の同級生で、その時奈々瀬から受けた酷い仕打ちを、あずさは今も忘れずにいたのだ。と同時に、あずさは奈々瀬に兄貴などいなかった事実に気付く。しばらくして、足を引き摺った英則(浅野忠信)が作業着姿で奈々瀬の家に入るのを見たあずさはさらに驚愕。「あいつら、兄妹なんかじゃない……」。六日目。山根家のガラス窓にサンダルを投げつけたあずさは、そのまま部屋に入り込み、英則に苛立ちをぶちまける。室内を見回すと奈々瀬の姿はない。英則は「他人に説明する義務はない」と言い捨て、家を出ていく。一人残された部屋で、あずさは偶然、天井裏の隠し部屋を発見。とその時、外から人が入ってくる音が聞こえ、あずさは慌てて天井裏に潜り込む。天井板の隙間から覗いてみると、奈々瀬と番上がそこにいた。七日目。番上との関係を追及するあずさに対し、奈々瀬は「何もするわけないじゃないですか」と愛想笑い……。思えば五年前、奈々瀬の前に突如英則が現れてから、二人の奇妙な“軟禁生活”が始まった。「俺はお前に復讐するぞ」と言って、奈々瀬を家に連れ帰った英則。そんな彼は、夜毎、二段ベッドの上の段で誰もやったことのない復讐方法を考え続けていた。奈々瀬は思う。「永遠の愛は疑ってしまうけど、永遠の憎しみなら信じられる。私もお兄ちゃんも、それに気付いていたのかもしれない……。」

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