子猫の涙 2008-01-26
解説
1968年メキシコ五輪で銅メダルを獲得しながら、網膜はく離で若くして引退した伝説のボクサー森岡栄治の波乱の人生を映画化。彼のおいである森岡利行が監督を務め、自身が主宰する劇団の上演作品を基に、おじの破天荒な生き様を温かく描き出す。主人公の森岡栄治役に『LOVEDEATH─ラブデス─』の武田真治、物語の目線となる娘の治子を注目の子役、藤本七海が好演。栄治の愛人役で広末涼子が存在感を示すほか、山崎邦正、赤井英和らが脇を固める。
あらすじ
1968年メキシコオリンピックで銅メダルを獲得したボクサー・森岡栄治(武田真治)。その後プロに転向したが、1975年網膜剥離によって引退を余儀なくされる。妻・和江(紺野まひる)との間に治子(藤本七海)と和則をもうけていたが、仕事も続かず、和江がスナックで働いて生活を支えていた。ダメな父親の姿しか知らないの治子は、バレエのレッスンを心のよりどころにしていた。栄治は用心棒をした縁で、ヤクザの親分が世話してくれたボクシングジムの会長をつとめることになる。しかし栄治の兄・忠利(山崎邦正)が金の無心に来たり、和江が店の客に送ってもらうのを目にした栄治が相手を殴ったりと、生活は良くならない。そんな日々に嫌気がさした和江は、子供たちを置いて家出してしまう。その数日後、治子が拾ってきた猫のハシゾウが死ぬ。そのとき治子は、初めて栄治の涙を見る。それから栄治の愛人になったホステスの裕子(広末涼子)が、一緒に暮らし始める。借金まみれだった忠利から株券を預かった栄治は、偽造有価証券発行、詐欺未遂の容疑者として逮捕される。証拠不十分で釈放されるが、父や裕子と子供たちの間には、微妙な変化が訪れる。昭和天皇の崩御した日に治子の祖父も他界し、時代は昭和から平成へ移り変わる。栄治は和則と共にジムでボクサーを育て、日本チャンピオンを輩出。治子は子供のころからの夢だったバレエ教室の先生になった。そんなある日、治子の元に、栄治がガンであるという知らせが入る……。