チィファの手紙 2020-09-11 你好、之華
解説
岩井俊二監督が松たか子、福山雅治らを迎えて手がけた「ラストレター」の前に、同じ自身の小説を原作に中国で製作した、もうひとつの「ラストレター」。岩井監督にとっては初の中国映画で、「ラストレター」同様の過去と現在の2つの世代を通してつむがれるラブストーリーが描れる。亡くなった姉のチーナン宛に同窓会の招待状が届き、妹のチィファは姉の死を知らせるために同窓会に参加するが、姉の同級生たちに姉本人と勘違いされてしまう。さらに、そこで初恋相手の先輩チャンと再会したチィファは、姉ではないことを言い出せないまま、チャンと文通することになる。姉のふりをして始めた文通が、やがて初恋の思い出を浮かび上がらせていき……。出演は中国4大女優に数えられるジョウ・シュン、「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎」にも出演したチョウ・シュンら。
あらすじ
姉チィナンが死んだため、妹チィファ(ジョウ・シュン)は姉の同窓会に出かけ、そのことを伝えようとするが、姉に間違えられてしまう。途中で帰ったチィファを、チィファが憧れていたイン・チャン(チン・ハオ)が追いかける。チャンが姉に恋していたことを知るチィファは姉のふりを続け、連絡先を交換する。チャンが送ったメッセージのスマホ通知を見たチィファの夫ウェンタオ(ドゥー・ジアン)は激昂し、スマホを破壊。チィファは住所を明かさず、チャンに一方的に手紙を送る。チャンは彼女がチィナンでないことを見抜いていた。チィナンをモデルにした小説で小さな文学賞を受賞した彼は、今も彼女のことが忘れられず、小説家として低迷していた。チィナンの死を知らないチャンは、チィファが姉のふりをしていることを不思議に思う。チィファの娘サーラン(チャン・ツィフォン)は冬休みの間、祖父母の家でチィナンの娘ムームー(ダン・アンシー)と過ごすことに。一方、ムームーの弟チェンチェンは、チィファのもとで冬休みを送る。チャンはチィナンたちの実家に返事を送る。しかし、その手紙をサーランとムームーが開封し、無邪気にチィナンの名で返事を書く。手紙のやりとりを通して、中学生時代の恋が浮かび上がる。転校生だったチャンは、学校一の美少女チィナンに一目惚れし、チャンの妹と親交のあったチィファを通してラブレターを届けてもらおうとする。ところが、何通渡しても返事がない。偶然チィナンと顔を合わせたチャンが手紙のことを尋ねると、受け取っていないという。チャンはチィファを問い詰め、チィファが自分のことを好きなことに気づく。ウェンタオの母がぎっくり腰で救急搬送される。母チィナンを自殺で失ったばかりのチェンチェンは激しく動揺する。謎が深まるばかりのチャンは帰郷し、チィファを訪ねる。そこでチィナンの死を告げられると、長年のわだかまりだったある因縁の決着をつけるために動き出す。一方、チェンチェンは家出してしまう……。