檸檬のころ 2007-03-31
解説
新鋭女流作家の豊島ミホによる同名ロングセラー小説を原作に、高校生たちの揺れ動く多感な心情を描いた青春ドラマ。監督と脚本は、本作が初の長編映画となる岩田ユキ。『僕は妹に恋をする』の榮倉奈々と『カナリア』の谷村美月を主演に迎え、共演は映画やテレビでの活躍がめざましい柄本佑と石田法嗣という、今最も輝く10代の才能が集結。今回が映画初出演となるギターデュオ「平川地一丁目」の林直次郎が、劇中歌と主題歌を手がけているのも見どころ。
あらすじ
田舎の高校三年生で、吹奏楽部の指揮者である秋元加代子(榮倉奈々)は、成績優秀で、卒業後は東京の大学に進学すると決めている。野球部の西巧(石田法嗣)は、いつも加代子を見つめていた。忘れられない中学時代の淡い思いを胸に秘めながら。そんな西に、ある放課後、野球部のエース・佐々木富蔵(柄本祐)がおちゃらけて言った。「オレ、加代ちゃんのこと好きなんだ」。次第に加代子と富蔵は近付いていく。一方、加代子と同じ教室の片隅で音楽にのめりこんでいる白田恵(谷村美月)は、将来、音楽ライターになると心に決めていた。ある日、恵は自分と同じように「音楽を感じている」軽音楽部の辻本一也(林直次郎)と知り合う。偶然の、ふたりきりでの生物室の放課後清掃。「こんなに話が合うやつとしゃべったの、俺、はじめてだよ」という一也。音楽談義は盛り上がり、二人は親しくなった。急に色鮮やかに、輝いて見えるいつもの風景。心にぎゅーんとロックが鳴り響く。もうすぐ高校時代最後の文化祭だ。一也が初めて作った曲の歌詞を恵に頼んだことから、様々なドラマが動き出す。たくさんの痛みを通じてあふれ出す恵の言葉が加代子に響き、富蔵や巧にも影響を与えていく。5人それぞれの思いが交錯する中、季節は移り変わる。そして徐々に別れの日は近づいてくるのだった。