あらすじ
矢嶋楫子は天保4年(1833年)、肥後国(現・熊本県)に生まれた。当時は男女で洗濯のたらいも分けるなど、極端な男尊女卑の社会で、女性が一人の人間として尊重されることはなかった。楫子は25歳の時に武士の夫と結婚。抱いている女の赤ん坊に向けて小刀を投げるなど、夫の度重なる家族への乱暴に身の危険を感じ、末の子を連れて家を出た。その後楫子は上京し、小学校の教員に。女子学院の初代院長を経て、一夫一婦制、婦人参政権、禁酒、廃娼運動など多くの活動に関わり、90歳の時にはアメリカで世界平和を強く訴えるなど、女子教育に力を注ぎ、女性解放運動に生涯を捧げた。