心の羽根 2004-05-15

公開:2004-05-15/製作:2003年    old
 

解説

『ポーリーヌ』などの名作を生んだ、ベルギーからまた新たな才能が出現。新人のトマ・ドゥティエール監督が、突然一人息子を失った、若い母親の絶望の日々からの再生を丹念に描く。自身もバードウォッチャ-であるという監督が、非情だが、実り豊かでもある自然界の移ろいをとおして、人の世のはかなさを温かい視点で映し出す。1年という歳月を通して、母親がゆるやかに息子の死を受け入れて行く人間ドラマに胸が熱くなる。

あらすじ

ベルギーの小さな町に住むブランシュは、5歳になる息子アルチュールを持つ若い母親。工場勤めの夫ジャンピエールと3人で、質素ながらも愛情に包まれた平穏な日々を送っていた。好奇心旺盛のアルチュールは、目にするもの全てに興味を覚え、ブランシュは幼い息子との日々を慈しみ、彼の幼年期を共に過ごす生活に満足していた。その日、渡り鳥の編隊が空に現れ、幼いアルチュールは空を見つめて渡り鳥を追うようにひとり町に出てしまう。町の人たちに挨拶しながら、一心不乱に歩き続けるアルチュール。そのまま家族でピクニックに行った沼地へ向かい、そのまま消息を絶った…。後日、アルチュールの死体が発見された。葬儀を終えても、ブランシュは最愛の息子の死を受け入れることができない。次第に心に変調をきたすブランシュ。ジャンピエールは、ブランシュに現実を受け入れさせるよう、むなしい努力を重ねた。アルチュールに導かれるように、あの沼地で時を過ごすようになったブランシュに、いつしかアルチュールの幻影が見えはじめる。同じ場所で、鳥の観察や自己鍛錬にひとり励む青年フランソワは、そんなブランシュを遠くから見つめていた。フランソワは自分の秘密のノートにブランシュの観察記録をつけながら、次第に彼女に惹かれていく。ある冬の日、ブランシュは「パパに会いたい」と言うアルチュールの幻影を家に連れて帰る。そして、彼を抱きながら風呂場で自殺を図るが……

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