悲恋の王女エリザベス 1953-11-07 YOUNG BESS
あらすじ
英国王ヘンリー八世(チャールズ・ロートン)とアン・ボレーンの間に生まれた王女エリザベスは、ヤング・ベスと呼ばれ、父王から愛されて未来の英国女王と決められていた。だが、多情なアン・ボレーンが断頭台で処刑された後、ベスは忠実な召使アシュレイ夫人と一緒に、ハットフィールドに追いやられた。ヘンリー八世は以来次々と妃を替え、そのたびにベスは王宮に呼ばれたり、追われたりしたが、父王が新しい妃キャサリーン(デボラ・カー)を迎えたとき、ベスを王宮に呼び戻すため使者に立ったのはトマス・シーマー堤督(スチュワート・グレンジャー)であった。そのとき14歳のベス(ジーン・シモンズ)は、トマスに秘かな愛を抱き始めた。キャサリーンはベスにとって優しい継母であり、また幼い王子エドワードもベスとすぐに仲良しになった。やがてヘンリー八世は倒れ、トマス・シーマーにエドワードやベスのことを托して死んだ。ところがトマスの兄ネッド・シーマーは、枢密院を動かし自ら幼王エドワードの摂政となった。ベスはネッドに反抗し、キャサリーンの許に身をよせた。そのころからベスのトマスへの恋情はいよいよつのって行ったが、トマスとキャサリーンが以前から愛し合っている仲であることを知って驚いた。そしてベスは幼王エドワードをたずね、2人に結婚を命ずる書面を口述した。ネッドはベスをデンマークの王室へ嫁がせようとしたが、話はうまく運ばず、トマスを諦め切れないで孤独の心を抱くベスは、またハットフィールドに閉じこもった。キャサリーンは病のため世を去り、トマスは危険な海の遠征に上った。ネッドのベスに対する圧迫は次第に強くなり、彼女の家人はみんなロンドン塔に取り調べのため連行された。そこへ思いがけなくトマスが訪れ、ベスは喜びと愛しさのあまり彼の腕に身をまかせた。だが翌日トマスはロンドン塔に囚われの身となった。ベスはネッドを激しく非難したが、このため彼女は監視される身となり、病に倒れた。ある日彼女は脱出の機をつかみ、幼王のもとに走り、トマスの釈放命令を口述した。しかし一瞬おそく、トマスは処刑された。ネッドの飽くなき権勢欲は次第に反感を買い、ついに彼も断頭台の露と消え、その翌年エドワードも夭折した。25歳のベスは国王の位につくことになり、ここに大英帝国は栄光の道へ第1歩を踏み出した。