誰がために 2005-10-15
公開:2005-10-15/製作:2005年
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解説
理解しがたい暴力が横行する時代に、生と死、そして愛の意味を問う社会派ドラマ。巨匠黒木和雄の助監督として活躍していた日向寺太郎が、満を持して監督デビュー。主演の浅野忠信は、やり場のない怒りを胸に秘めた難しい役どころを演じきったほか、『ジョゼと虎と魚たち』の池脇千鶴や人気急上昇中の小池徹平ら若手が共演する。手持ちカメラで撮影された映像が、主人公の心情をより身近なものに感じさせる。
あらすじ
昔ながらの面影をわずかに残す東京の下町。元報道カメラマンだった民郎(浅野忠信)は、父親の急死により写真館の後を継ぐが、満たされない日々を送っていた。ある日、幼なじみのマリ(池脇千鶴)が、友人の亜弥子(エリカ)を連れてきた。亜弥子と民郎は一目で惹かれあう。共に心に欠けた部分を持っていた二人は、それを埋めるかのように深く愛し合い、やがて亜弥子は妊娠する。しかし、幸せな日々も束の間だった。亜弥子はある日、一面識もない少年(小池徹平)によって、お腹の子ともども殺されてしまう。「なぜ亜弥子が?」。突然の理不尽な暴力に、やり場のない怒りと悲しみから、失意の日々を送る民郎。それでも何とか日常生活を取り戻そうとするが、時折りどうしても抑え切れない感情が湧き起こる。民郎への想いを密かに抱き続けているマリは民郎を励まし、なんとか立ち直らせようとする。そんな時、少年が思いの外、軽い刑で少年院を出所したことを知る。