雑草のような命 1960-01-21

公開:1960-01-21    old
 

あらすじ

城下町金沢。待子と純一は市の高校に通う仲よしグループの一員だった。純一が何一つ不自由しない家庭に育っているのと違って、待子の家では父親が怪我して失職、間借りしている伯父の家からも追い立てをくっていた。待子はやむなく退学し、紡績工場に女工として働くことになった。母親の久子が胸を悪くし、それを知った伯父は久子を家から追い出した。生きる力を失った父親は、母と幼い弟を道連れに湖に身を投じた。待子は純一の家に引きとられたが純一の父が亡くなると、純一の家で世話になっているわけにもいかなくなった。待子は遠い親戚にあたる未亡人福崎サヨの家へ引きとられた。春がやって来た。純一は東大に入学できた。二人の愛は手紙によってつながれていた。サヨの家に米井という工員が下宿するようになった。女手だけでは不用心だというので、サヨが呼んで来たのだ。しかし実際のところは、サヨと米井は関係があったのだ。その米井に、サヨが留守の時待子は暴行されてしまった。待子の足は、父や母が死んだ湖の方へ向いていた。「私はこの世のなかで一番愛している純一さんに会わないで死ぬことだけがただ一つの心残りです。純一さん、かんにんしてください」。湖の上を霧が流れて、もうそこには待子の姿はなかった。

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