狂えるメサイア 1987-09-19
解説
「恋する女たち」のケン・ラッセル監督による、彫刻家アンリ・ゴーティエとポーランド女性マムルーシュカの愛の物語。図書館で出会った二人は互いに惹かれあい、同棲するようになる。貧困の中、芸術を語りあう二人。しかしマムルーシュカはプラトニックを貫こうとし、アンリの要求を拒む。しかしアンリも他の女にはそれほど興味を持てない。アンリの才能を見とめる画商のコーキーが現れ、二人と親交を持つようになる。二人は姉と弟という名前のもとに愛をはぐくみ合うが……。
あらすじ
時は1910年。才能と野心にあふれた18歳の芸術家アンリ・ゴーディエ(スコット・アントニー)は、偶然出会ったソフィー(ドロシー・テューティン)に心魅かれた。38歳の彼女は、文章家を志してポーランドからやって来たのだった。若く情熱にあふれた彼は、唐突にもソフィーに結婚を申し込む。「芸術だけのつき合いにしましょう」と、ソフィーはアンリの求婚を断るが、二人の愛情はそうした事情とは別に、深まって行った。やがて、アンリの提案で、二人は田舎の彼の実家に出かけ、永遠の愛を誓い合うが、封建的で排他的な両親は彼女を町から追放しようとする。激怒したアンリは、ソフィーと共に町を飛び出し、ロンドンへ向かう。姉弟として暮らし始めた二人の生活は苦しく、また、ソフィーを熱愛するアンリは彼女に肉体関係を迫るが、SEXを異常に嫌悪する彼女は、拒絶する。しかたなく娼婦宿に出向いたアンリはそこで娼婦たちの裸体をスケッチして夜を明かすのだった。そんなある日、世界的美術商アンガス・コーキー(リンゼイ・ケンプ)が訪ねて来て、アンリの絵を、今後すべて引き受けたいという申し出をした。狂喜するアンリとソフィーだが、一方でアンリとの生活に疲れはじめていたソフィーは、職を見つけてポーランドへ旅立ってしまった。やがて、アンリの個展開催が決まり、ポーランドへ出向いた彼は、再びソフィーに結婚を申し込む。ロンドンへ戻ったソフィーは、しかし、アンリとは別々の部屋を借りる。1914年、第一次世界大戦が始まり入隊を決意したアンリは、出発前夜、またプロポーズをする。「個展が終ったら……」と繰り返すソフィー。しかし、1915年6月5日、アンリは戦死してしまう。その頃、ロンドンで開かれた彼の個展の賑わう鑑賞者の中に、涙にぬれたソフィーの姿があった。