電送装置を開発した科学者自らが行った人体実験。その時に紛れ込んだ一匹の蝿によって科学者は、頭部が蝿と化した奇怪な姿となる……。ジョルジュ・ランジュランの原作を映画化したSFホラーの古典。プレス機によって頭部を押し潰された科学者の死体から始まり、やがて回想になっていく物語は、こけおどかしばかりの恐怖映画とは一線を画す造りであり、科学者の身にふりかかった悲劇が次第に明らかになるくだりも見応え充分。あまりにも悲劇的かつショッキングなラスト・シーンも深い余韻を残す。