連続殺人鬼 冷血 1984-02-11
解説
大下英治のノンフィクション『勝田清孝の冷血』をもとに、佐伯俊道が脚色し渡辺護が監督した犯罪映画。
非行に走り鑑別所に送られた辰田清志は、高校卒業後に山西真知子と結婚。大阪のアパートで夫婦生活を開始するが、飽きっぽく根気がないため仕事が長続きせず、京都の実家に帰ることに。友人の妹の南悦子と知り合い交際を迫るが断られ、逆上した清志は彼女を強姦し絞殺してしまう。知人の紹介で消防士として働き始めた清志は、真面目な態度で優秀な成績を残すが、その裏では強姦・強盗・殺人を繰り返していた。高級車を次々に乗り替え、高い酒を飲み、派手な生活を続けるために、清志の犯罪はどんどんエスカレートしていく。ついには警官を襲って拳銃を盗み、その銃を使って銀行強盗にまで手を染めるのだったが…。
あらすじ
少年鑑別所あがりの辰田清志は、自動車教習所で知り合った山西真知子と結婚し、大阪でアパート暮らしを始めたがあきっぽい性格のためかなかなか定職につけなかった。やがて真知子が妊娠したために京都郊外の実家に帰らざるをえなくなった。辰田の最初の殺人は昭和47年で被害者は辰田と顔見知りの19歳のOL南悦子だ。事件後辰田は友人の紹介で地元の消防署に勤め出し、真面目な消防士としての生活を始めるが、その隙間をぬうように次々と女性たちを絞殺していった。幾台もの高級車を買い換える生活ぶりは派手でそのために父母との衝突はしょっ中だったが、勤務態度は真面目で上役や同僚の評判も悪くはなかった。しかしそんな生活も盗みの容疑で警察の取り調べを受けたことから崩れ、消防署もクビになってしまう。それがきっかけとなって辰田の狂暴性はむき出しになり、ついにはスーパーを襲い店長を射殺して大金を強奪するというエスカレートぶりだ。殺人癖もますます残虐さを加え、大田佳子、高田きよ子、谷裕子、佐藤啓子、増山夏子、大里信子らがその毒牙にかかって殺された。家にほほとんど寄りつかず愛人、寺西和子のマンションに入りびたりだ。57年10月、名古屋市千種区の派出所警官に重傷を負わせピストルを強奪、翌58年1月31日、それを利用して名古屋の第一銀行を襲撃したが、逆にとり押さえられ遂に逮捕された。