美人図 2010-09-25
解説
数々の官能的な名画を残した18世紀朝鮮の天才絵師、シン・ユンボクと、その代表作「美人図」をめぐる愛の軌跡を描いた豪華でエロチックな文芸ロマン。シン・ユンボクが女性であるとの仮説のもと、彼女と運命の恋人、絵の師匠との複雑な関係をつづる。シン・ユンボクにふんするのは、『下流人生 ~愛こそすべて~』などのキム・ミンソン。彼女の恋人を、『後悔なんてしない』などのキム・ナムギルが演じる。めくるめく愛に加えて、人間国宝によって再現された名画や高額な文化財級美術など韓流文化の美しさにも注目。
あらすじ
18世紀末、第22代王・正祖の下で朝鮮ルネッサンスが花開いた時代。4代続く宮廷絵師の家系で、跡継ぎとしてその将来を嘱望されていたシン・ユンボクがある日突然、自ら命を絶つ。実は、誰にも内緒で“ユンボクの絵”を描いていたのは7歳の妹だったのだ。驚きつつも“女の分際で絵師の真似事をしたお前のせいで跡継ぎを失った”と妹を責める父。女人禁制の宮廷に仕えてきた一家の名誉を守るため、幼い妹はその日から兄に代わって“シン・ユンボク”として生きることとなる。宮廷に入ったユンボク(キム・ミンソン)は、名絵師キム・ホンド(キム・ヨンホ)の下で天才的な才能を次々と開花させてゆく。中でも、王命を受けて描く風俗画は、その斬新さで師であるホンドさえ驚くような腕前を見せる。さらに、女性を中心に据え、その裸体さえも大胆に描き込むという、それまで誰も描いたことのない手法を披露。これは、宮廷から低俗と糾弾されることもしばしばだったが、それでもユンボクの筆は勢いを増すばかり。もはや何人にも止められない境地にまで至っていた。そんなある日、ユンボクはガンム(キム・ナムギル)という鏡職人と出会う。ガンムに女であることを知られて恋に落ち、一気に女である自分に目覚めてゆくユンボク。彼女の中で初めて、自分が築き上げた全てを犠牲にしてでも、1人の女として愛を貫きたいという気持ちが芽生える。狂おしい思いは絵筆から溢れ、それを見たホンドは愛弟子の秘密に気付いてしまう。ユンボクをめぐって吹き荒れる愛と嫉妬の嵐は、やがて予期せぬ結末へと3人を導いていく……。朝鮮初のエロチシズムを描いた名画“美人図”。謎の天才絵師シン・ユンボクは、あの日のガンムに答えていたのかもしれない。