ベロニカは死ぬことにした 2006-02-04
公開:2006-02-04/製作:2005年
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解説
ベストセラー作家パウロ・コエーリョの同名小説を、舞台を日本に置き換えて映画化したヒューマンドラマ。監督は俳優としても活躍している堀江慶が務め、自分の人生を取り戻そうとする人々の姿を情感豊かに描き出す。閉塞的な日々に生きる意味を見出せなくなったヒロインを、真木よう子がみずみずしく演じたほか、市村正親や風吹ジュンらベテラン勢のユニークな存在感も一見の価値あり。韓国で人気上昇中の若手俳優イ・ワンが、映画初出演を果たしたことでも話題となっている。
あらすじ
退屈な人生にうんざりして、自ら命を絶とうとしたトワ(真木よう子)。風変わりなサナトリウムで目覚めた彼女に、院長(市村正親)は、「あと7日間の命」と宣告する。院内では、風変わりな人々が隔絶された独特の世界で毎日をすごしている。理想と現実の狭間で自分を追い詰めてしまった元・弁護士ショウコ、愛しすぎてバランスを失った主婦・サチ、完治後も狂気の世界に安住し続けようとする往年の大女優・紅子。院長とともに彼らを見守る婦長の姿も、どこか普通ではない。トワを心安らかに逝かせようと、周囲の人々が接触を避けるなか、絵描きになる夢を忘れられず、言葉を失ってしまったクロード(イ・ワン)だけは、トワに共感する。最初は戸惑い、混乱するトワだったが、おいしいものを食べること、楽しむこと、好きな格好をすること、美しい音楽を奏でる喜び、満ち足りたセックス、人生を彩る愛しいものすべてが彼女を変えてゆき、やがて生への欲求が芽生えてくる。身近に迫った死をきっかけに、退屈だったはずのトワの人生が輝きはじめるのだった。