海でのはなし。 2006-12-16
監督:
大宮エリー
脚本:大宮エリー
公開:2006-12-16/製作:2006年
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解説
自分の育った家庭が虚構だったことに傷ついた少女と、人と関わるのが苦手な男の葛藤(かっとう)を描くラブストーリー。人気バンド、スピッツの楽曲の世界観が出発点となった本作は、大宮エリー監督がスピッツのファンだったことから同企画がスタート。宮崎あおい、西島秀俊をダブル主演に迎え、不器用な男女が海での長い会話を通じて答えを出そうとするする姿を静謐(せいひつ)なタッチで映し出す。全編に流れるスピッツのシングル曲も必聴。
あらすじ
誰かを大事に思うこと。ちっぽけだけど、いちばん大切なこと。ごく普通の家庭で両親の愛を一身に受け、珍しいくらいまっすぐに育ってきた女の子、楓(宮崎あおい)。でもある日楓は、母親が父親の愛人だったことを知ってしまう。お父さんには、私たち以外に本当の家族がいる…。傷ついた楓はが向かったのは、博士(西島秀俊)のいる場所だった。楓より少しだけ大人で、とぼけたことばかり言う博士は、楓にとっては近くて遠いひと。そして、とても大事なひと。恋とかそういうのじゃなくて、もっともっと深い何かで繋がっているような。博士は、誰ともあまり関わりをもたずに生きてきた。傷つかないですむし、そのほうが楽だからだ。でもいったいいつからだろう。両親を愛することさえできなくなったのは…。二人を乗せた車は海へと向かう。真夜中の浜辺。闇から響く波の音。ことばは途切れながらも続いてゆく。そしておとずれる、やさしい朝。楓と博士。不器用な二つのこころは少しずつ寄り添って。小さなことがぜんぶ大切。たとえそれが答えじゃなくても。誰かを大事に思う気持ちがあれば、自分のことも、自分以外の誰かのことも、きっともっと愛せるはずなんだ……。