オフィシャル・ストーリー 1987-04-04

公開:1987-04-04    old
 

解説

 1983年、軍事政権下のアルゼンチン。ある夫婦が養子縁組によって育てている子供の出生の秘密に疑問を持ち、調査を進めていく。やがて明らかになるのは、軍部による思想犯抹殺の恐るべき実態だった……。実話を基に描かれた迫真の社会告発映画であると同時に、親子の強い愛情をも描いた。85年カンヌ映画祭主演女優賞、86年アカデミー外国語映画賞受賞。

あらすじ

軍事政権下のアルゼンチンの首都ブエノスアイレス。高校の歴史教師アリシアは(ノルマ・アレアンドロ)、実業家の夫ロベルト(エクトル・アルテリオ)、養女ガビイ(アナリア・カストロ)とともに、平穏な生活を送っていた。ある日、学校の同窓会に出たアリシアは亡命していたアナ(チュンチュナ・ヴィラファニエ)の懐かしい顔をみつけ、再会を喜び合った。その夜、アリシアの家でアナはなぜ亡命せねばならないかを語った。それによれば、彼女の昔の恋人ペトロが反体制側だったために彼女まで拷問、暴行を受けたこと、また獄中で妊娠中の女性から生まれて来た子供たちが連れ去られ、見知らぬ人々に売られていくのを見たことを。その瞬間、アリシアの胸にはガビイもその一人ではないかという疑惑が湧き起こった。そんなある日、仕事仲間が夫のロベルトに救いを求めて来たことからアリシアは夫が軍事政権と癒着し、民主勢力に対する加害者の立場にあるのではないか?という疑問につき当たる。彼女はガビイの生みの親を捜し始めた。そんな中で、五月広場の母の会でサラ(チューラ・ルイス)と知り合った。突っ込んだ話し合いをするうちに、あらゆる点から見てガビイがサラの孫娘である可能性が大きかった。夫のロベルトの忠告にも関わらず、あくまでガビイの出生をつきとめることに固執する。アリシアが家に招いたサラを見て、ロベルトの怒りは爆発、ついに軍事政権側で活動、膨大な報酬を得ていることが判明した。翌日アリシアはガビイを義母の家にあずけると、二度と帰らないであろう家をあとにした。

Add files...   
画像をこちらに
 
movieimg/1987/1/21052

◀︎ Back