colors / カラーズ 2006-07-15
解説
ある日突然、それぞれ別々に色分けされた箱の中に閉じ込められてしまった7人の男女が、その不条理な状況の中で次第に自らの人生を振り返るさまを描いた異色の群像ドラマ。監督は「スリーピングフラワー」の柿本ケンサク。病院のベッドに横たわる瀕死の男、修治。気がつくと、彼は赤い箱の中にいた。同じように、孤独な死刑囚・稔、合コン好きな女子大生・リカ、自分に自信のない女・果穂、自分の存在を否定する色男・賢作、夫の帰りを待つ平凡な主婦・泰子、女に裏切られたデザイナー・サチオが、それぞれ色とりどりの箱に閉じ込められていた…。
あらすじ
修治(村上淳)は気が付くと赤い箱の中にいた。ただ一つ、壁に鍵穴があり、覗いても暗闇しか見えない。修治と同じように、他の六色の箱にもそれぞれ人がいた。シャッフルされ無作為につながる箱の世界で、それぞれの存在を確認していく修治。「7人の他にも誰かいるらしい…」一人は黒の箱にいる“高野賢作”と名乗る男(山本浩司)。もう一人は白い箱にいる小さなおじさん、ゼロ(マメ山田)。彼らはこの不思議な世界から出られる鍵をゼロが握っていると考えるがゼロは白い靴を残して、消えていなくなってしまう。置いていった靴にはタイマーが仕掛けられていて、赤の箱の果穂(目黒真希)だけが爆発と共に消えてしまう。果穂はゼロと白い箱の中にいた。彼女が鍵穴を覗くと、この世界で出会った彼らが大切な人を失った瞬間が映し出されていた。果穂にゼロが言う。「ここは死後の世界なんかじゃない。その鍵穴の向こうにある隙間が新しい世界になるかは君次第」。修治たちも、ここが死後の世界ではないことに気付いていく。「俺たち全員は大切な人を失った。それは自分たちが心を開いていなかったからだ」彼らは、この箱から出て行こうとする。大切な人を取り戻すために……。