刺青 堕ちた女郎蜘蛛 2007-01-13

公開:2007-01-13/製作:2006年    old
日本
 

解説

耽美派作家、谷崎潤一郎の名作短編「刺青」の4度目の映画化。『MOON CHILD』で監督と脚本を務めた瀬々敬久と井土紀州が再びコンビを組み、刺青によって運命を翻ろうされる男女の姿を描く。刺青を彫ることで過去を洗い流そうとするヒロインに、映画や舞台、声優など幅広く活躍する川島令美、彼女と風変りな愛を育む青年に『県庁の星』の和田聰宏。そのほか光石研や嶋田久作、松重豊など日本映画界きっての個性派が脇を固めている。

あらすじ

二人の出会いは、出会い系サイトだった。妻子と別居し、自己啓発セミナーの勧誘をしている男、二ノ宮(和田聡宏)。やっと仕事にありつき、必死に今を生きようとしている。出会い系サイトのサクラをしている女、アサミ(川島令美)。不倫に破れ、自暴自棄になっているアサミは、二ノ宮から携帯メールで送られてきた蝶の写真に魅せられ、サクラは相手とは外で会ってはならないという規則を破り、彼と会うことにした。喫茶店で熱心に勧誘する二ノ宮に続いて、セミナーの主宰者・奥島(松重豊)が現れる。落ち着いた口調ながら、有無を言わせぬ凄みにアサミは飲み込まれ、その日のうちに奥島に抱かれてしまう。奥島はアサミを自分の女にすべく、自らの背中の不動明王と同じく、彼女にも刺青を入れようとしていた。翌日、二ノ宮はアサミを連れ、刺青師・彫光(嶋田久作)の家に向かった。麻酔をかがされ、裸にされるアサミ。その白い肌に除々に女郎蜘蛛の刺青の輪郭が描かれてゆく。目が覚めて背中の下絵に驚愕するアサミだったが、その凶暴さの中にある神々しい品格にいつしか魅せられ、もうひとりの自分へ変身を決意するのだった。アサミの肌に墨が入る。苦痛の表情から恍惚の微笑へ。アサミの身体に今までにない、壮絶な美しさが宿る。一方、一生に一度出会えるかという彼女の肌に魅せられた彫光も、一心不乱に針を入れつづける。いよいよ明日で刺青も完成するという前日の夜。アサミは不倫相手の神崎(光石研)を街で見かけ、見せつけるように二ノ宮と唇を重ねる。二ノ宮はアサミを求めるが、あっさりと拒まれる。気まずい二ノ宮をホテルに誘ったアサミは、嫌がる二ノ宮に鮮やかな女郎蜘蛛の刺青を見せる。アサミは以前とは別人のように、強く、美しくなっていく。そんな彼女の変化についていけない二ノ宮。アサミは神崎とホテルで抱き合うが、彼はその刺青を見たとたん、驚き、土下座して、一目散に逃げて行った。まるで、女神のように神々しくなって行くアサミは、サクラで騙していた男たちをホテルに呼び、過去を贖罪するかのように、自らの身体を与えていくのだった……。

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