遺産相続 1990-10-20
解説
とある中小企業の社長の急死によって巻き起こる壮絶な遺産相続戦争をブラックユーモアたっぷりに綴ったドラマ。セントラル工芸の社長・藤島元春は内縁の妻・喜久恵と中小企業ながらもなんとか会社を切り盛りしていた。そんなある日、藤島が急死、遺産は50億円を超えていた。しかし、遺言書がなかったために法律通り、遺産は本妻と子供たちで半分ずつ分配されることになる。この会社を大きくしたのは喜久恵の力あってこそ。内縁の妻であるため遺産が入って来ないと冷たく言い放つ弁護士・安西に喜久恵は怒り狂った…。
あらすじ
東京下町の中小企業・セントラル工芸は、マネキンを製造、販売する会社で、社長は藤島元春。専務はその内縁の妻である喜久恵。重役は喜久恵の連れ子である和仁と里実という典型的な同族会社である。ある日、総務課長の勅使瓦と共に釣りに出かけた藤島は、そこで崖から転落死してしまう。こうして藤島家の遺産戦争が始まった。藤島は人一倍心身強健だっただけに遺言状はない。よって法律通り、遺産は妻と子供たちで半分ずつ分配されることになる。ところがこの場合、妻とは別居中の本妻・静子のことで、妾である喜久恵には権利は一切ない。こう冷たく言い放つ弁護士・安西に喜久恵は怒り狂った。喜久恵は七年前に会社の四千株を自分名義にしてもらっているが、何とか実質的な妻としての相続権を勝ち取ろうと必死だった。子供達に裏切られた上、相続税を支払うために会社を売却せざるを得なくなっていたのだ。そして、藤島本葬の日、喜久恵は京都から勅使瓦の母・綾乃を呼び寄せた。実は綾乃も藤島の愛人で、勅使瓦は藤島の未認知の子だったのだ。この突然の新事実に、遺産分割は振り出しにもどることになった。里実との結婚を約束に喜久恵の側についた勅使瓦によって、喜久恵が有利になってくるが、そのために藤島家は崩壊へと向かっていくのだった。そしてそんな中、里実と勅使瓦の結婚式が行われようとしていた。ところが里実は別れた不倫相手のことが忘れられず、その彼を追って失踪。場内は大混乱となるがそんな時、再び安西が現われ、喜久恵に「静子は遺産の半分の相続権を認めた」と伝えるのだった。