一流シェフを目指して青山の高級フランス料理店で働く料理人ヒロミ。ある日、ひょんなことから初老の男と知り合い、彼に自慢の料理を振る舞った。しかし、男はヒロミの料理の欠点を鋭く指摘し、自ら料理を作って見せた。その腕前はただものではなかった。彼の正体は、かつてフランスで活躍した“伝説の料理人”立松一平だった。彼は、フランスで食中毒事件を起こしてしまい、以来、料理の道を諦め、婚約者とも別れ、いまやすっかり落ちぶれてしまっていた。そんな一平の料理に心酔したヒロミは彼に料理を習い始めるのだった……。