少女と夏の終わり 2013-09-21
解説
第25回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門で上映され、注目を浴びた群像ドラマ。とある山村で生活している少女たちの精神と肉体の成長を、村で起きるさまざまな出来事を絡めながら映し出していく。監督は、『ニュー・ジャック&ベティ』『怒る西行』などの沖島勲に師事し、本作で長編映画デビューを果たした石山友美。『Lost & Found』の菅原瑞貴、『スマグラー おまえの未来を運べ』の加治木均ら、50人以上のキャスト陣が濃密なストーリーを構築。舞台となる村や山々を捉えた美しい映像にも息をのむ。
あらすじ
山間の小さな村に暮らす中学生の小林瑞樹(菅原瑞貴)には、物心つく前に、姉がレイプされて殺害されるという過去があった。その姉が亡くなった年齢に達し、自分の身体が大人に成長してゆくことに、言葉にならない不安を覚える瑞樹。そんな瑞樹に対して、気丈に振る舞う親友の奥田薫(上村愛)だったが、夏休みが終わって新学期を迎えると、それまで自分に向けられていたはずの同級生の視線が瑞樹に向かっていることに気づく。そして薫は、瑞樹に恋心を寄せる山田浩(倉地純平)にある嘘をつく。一方、村では山の木が枯れる現象が起きたり、温泉ランド建設を巡って村長選挙が近づいたりと、皆忙しい。そんな中、製材所を経営する薫の父・圭一郎(潟山セイキ)は、温泉ランド建設支持派の選挙団体との対立から孤立してしまう。そんな圭一郎のもとに、東京から森林調査のため、研究者の日高裕子(直原薫)がやってくる。圭一郎の山にも異変が起きていると告げる日高。村には古くから、若い娘を生贄に出さないと山が枯渇するという伝説があったが、そのことと今回の現象は関係があるのか……?村人たちの騒々しい噂話に薫の嘘が絡み合い、事態は思いもよらない方向へ向かってゆく。そして迎えた村長選挙当日。少女たちが下した決断とは……?