菊次郎の夏 1999-06-05

公開:1999-06-05    old
 

解説

 母を探す少年と中年男との旅を描いた北野武監督によるロードムービー。これまでの北野作品とは一転、鋭利なバイオレンス描写を排し、ヒューマン・タッチの温かな作品に仕上がっている。ビートたけし、関口雄介、岸本加世子、吉行和子共演。祖母と暮らす小学3年生の正男は、夏休みを利用して写真でしか見たことのない母に会いにゆく事を決意。そんな正男を心配した近所の主婦は、無職でブラブラしている自分の夫・菊次郎を同行させる。嫌々引き受けた菊次郎は、少年との旅も右往左往でいい加減。だがそんな2人の間にもやがて交流が生まれ、ついに正男の母と対面の時を迎えるが・・・。

あらすじ

幼い頃に父親を亡くし、今はおばあちゃんとふたりで浅草に暮らしている小学校3年生の正男にとって、夏休みはそんなに楽しいものではなかった。学校の友達はみんな家族で旅行に出かけてしまうし、サッカークラブもお休み、おばあちゃんも仕事で昼間は家にいないのだ。そんな時、彼は遠くの町にいるお母さんに会いに行く決心をする。絵日記と宿題と僅かな小遣いをリュックに詰めて、家を飛び出した正男。そんな彼の気持ちを知った近所のおばさんが、夫で遊び人の菊次郎を同行させることにした。目指すは愛知県豊橋市。ところが、根っからの遊び人の菊次郎は競輪場に寄り道したり、タクシーを盗んだり、トラックの運ちゃんとトラブルを起こしたり、ホテルの人たちに迷惑をかけたりと、行き当たりばったりの旅を展開。それでも、ふたりは漸く正男の母親の住む家を見つけだすのだった。しかし、正男の母親は既にそこで違う家庭を築いていた。幸せそうな母親一家を見て落ち込む正男。そんな彼に、菊次郎は二人組のバイカーから奪い取った天使の鈴を渡し、「お母さんはもう別のところに引っ越してしまい、正男が来たらこれを渡してくれと言っていた」と精一杯慰めるのであった。さて、東京へ帰ることになった菊次郎と正男。ふたりはその道々、知り合ったバイカーたちや作家志望の青年とキャンプをして、楽しい時間を過ごすことにした。大人であることを忘れてはしゃぎ回る菊次郎。だが、そんな彼にもひとつ気になることがあった。それは、近くの老人ホームに入院している母親のことだった。ホームをこっそり訪ねる菊次郎。しかし、彼は老いた母親に声をかけられなかった_。夏も終わりが近づき、菊次郎と正男は浅草に帰ってきた。別れ際、菊次郎は「またお母さんを探しに行こう」と正男と約束する。

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