死の接吻

公開: 1947年    old
 

解説

「幸福の森」のフレッド・コールマーが製作し、「砂漠の鬼将軍」のヘンリー・ハサウェイが監督に当った犯罪ドラマ1947年作品。地方検事補エリザー・リプスキーが書いた実話に基づいて「白い恐怖」のベン・ヘクトと「僕は戦争花嫁」のチャールズ・レデラーが共同で脚色した。撮影は「砂漠の鬼将軍」のノーバート・ブロディン、作曲はデイヴィッド・バトルフの担当。主演は「サムソンとデリラ」のヴィクター・マチュア、「暴力帝国」のブライアン・ドンレヴィ、「赤い河」のコリーン・グレイ、「情無用の街」のリチャード・ウィドマークの4人で、「欲望という名の電車」のカール・マルデン、「ウィンチェスター銃'73」のミラード・ミッチェル、「我が心の呼ぶ声」のミルドレッド・ダンノック、テイラー・モームズらが助演。

あらすじ

ニューヨークのクイーンズ地区。更生した元犯罪者のジミー(デイヴィッド・カルーソ)はしがらみから犯罪組織による盗難車の密輸の片棒を担ぎ、警察に検挙され、再び刑務所生活に入る。彼を事件に巻き込んだいとこのロニー(マイケル・ラパポート)はジミーの妻ベヴ(ヘレン・ハント)を罪償いと称して自分の工場で雇うが、ある夜彼女を酔わせたあげくに犯す。翌朝目覚めて動転したベヴは交通事故に遭って死ぬ。復讐に燃えるジミーは一計を案じて、ベヴの親友ロージー(キャスリン・アーブ)に預けた娘コリーナに会うことを口実に担当の野心家の地方検事フランク(スタンリー・トゥッチ)と取引、ある宝石強盗事件を自供、ロニーを密告者に仕立てる。結果、組織の老ボス、ビッグ・ジュニアは鍛え上げた肉体を誇る凶暴な息子、リトル・ジュニア(ニコラス・ケイジ)にロニーを始末させた。娘に会うため1日だけの仮出所をしたジミーの護送に当たったのは、彼を逮捕する際仲間の発砲で顔面を負傷、その後遺症に苦しめられてジミーを恨む黒人刑事カルヴァン(サミュエル・L・ジャクソン)だった。3年後。保釈間近のジミーは、父親の死後ボスとなったリトル・ジュニア検挙のための囮捜査への協力をフランクに迫られるが断る。保釈後、ロージーと再婚し、改めて平穏な生活を送ろうとする彼にカルヴァンがつきまとう。やむを得ずジミーは隠しマイクを仕掛けて、車強盗の仲間に加わり、組織の拠点のクラブに乗り込んだ。一度は疑うリトル・ジュニアだったが、やがてジミーに奇妙な友情を押しつけてくる。その矢先、リトル・ジュニアはジミーに悪意を見せていた黒人ギャングのボス、オマー(ヴィング・レイムス)を彼の目の前で殺す。直後、突然連行されたジミーはFBIと検察から何とオマーがFBIの潜入捜査官だったことを知らされる。ジミーは証拠物件となる殺害現場を録音していたテープを提供する。ところが組織側の弁護士ジャック(アンソニー・ヒールド)が暗躍、さらに自らの出世を引替にFBIと裏取引したフランクの画策により、逮捕されたリトル・ジュニアは釈放、ジミーは家族と共に警察の保護下に置かれることに。しかし組織の手が幼い娘にまで忍び寄るに至って、ジミーは直接対決を決意、敵のクラブに乗り込む。リトル・ジュニアは殺人を認める言葉を吐き、ジミーを殺そうとして乱闘になるが、駆けつけたカルヴァンに逮捕される。かくてジミーは、いつしか友情を覚えあっていたカルヴァンの協力を得て、リトル・ジュニアの殺人告白を録音していたテープをフランクに渡し、彼の裏工作の事実を暴露しない代わりに、殺人罪でリトル・ジュニアを起訴することを約束させるのだった。

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