哀愁の街に霧が降る 1956-10-31

公開:1956-10-31    old
 

あらすじ

斎藤智之は或る夜大学生仲間と酒場に行き、そこで似顔を描いている女性の清純な眼差に心惹かれた。智之がその女性千種子に似顔絵を描いて貰っていると、横合いから一人の男が割り込み彼女を追い帰した。智之はその男が代って描こうというのを断ったため、酒場の帰り袋叩きにされた。寄宿先の叔父の家へ帰ると、叔父が大学の部長候補に上ったとかでごった返していた。翌日許婚の美佐緒が訪ねて来たが、彼には千種子の事しか念頭になかった。やっと千種子のアパートを探しあてた智之は、千種子が美校の学生で、姉芳子の病気のため似顔描きのアルバイトをして居り、昨夜の男八郎は、彼女が困窮の折り金を貸してくれたことからつきまとっている事を知った。姉の容態の急変におろおろする千種子のため智之は自分の持物を売って金を作り、更に叔父に借用を申込んだが断られて、アルバイトのため東京を離れた。智之から来た手紙を運悪くみつけた八郎は、婚約者があるから諦めてくれという内容にすり変えてしまった。悲しんだ千種子は姉の後を追って故郷へ帰った。失意の千種子の許へ或日智之が訪れ、誤解もとけた二人は東京へ戻って来た。その喜びも束の間、或夜八郎がやって来た。ナイフを持った八郎と智之がもみあう中に、八郎は自分を刺してしまった。自首する決心の智之は叔父の家へこれまでの礼を言いに行ったが、部長の椅子を失うことをおそれた叔父は逃げるよう命じた。一旦はその気になった智之も千種子の言葉に心を決め、二人は抱き合って霧の深い道を歩いて行った。

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