続思春期 1953-07-01
公開:1953-07-01
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あらすじ
甲府盆地の夏。--知識欲のさかんな敬太、玲子たち七人の高校生グループは各自の家を、順にまわって読書会をもつ。その番が玉枝の家、バア「シスタア」にきたとき、先生や旧弊な親たちの反対がおこり、これにからむごたごたで読書会は解散した。絆を失ってグループの心はばらばらになった。玉枝は敬太に好意をよせていたが、当の敬太は玲子と懇ろになる。情に激した彼らはとどのつまり、ゆくところまでいったが、さすがに不安と自責の念は抑えがたい。とりわけ玲子は錯乱のあげく、過まってトラックにはねられた。これが桃色遊戯の果ての自殺未遂として新聞に出たため、あわてた双方の親--玲子の父、県議の間宮と敬太の父、家柄を誇る神主の前川は、前後の世間体をとりつくろうため、敬太と玲子との婚約を披露した。世間はそれで一応満足したけれども、当の二人は将来のワクがきまってしまった息苦しさに耐えられなくなる。息苦しさが昂じて敬太は死を想い、ひとり渓流にむかった。玲子の注進でそれと察した谷村先生はすぐ跡をおい、流れの中にたたずむ敬太を引戻した。先生の助言で二人の婚約は解消され、玲子は親戚のもとへ、敬太は東京の高校へと転籍した。若い日の過ちを清算して、彼らはそれぞれの明るい、自由な道を歩むはずであった。