クレヴァニ、愛のトンネル 2015-02-21
解説
『カリーナの林檎 ~チェルノブイリの森~』などの今関あきよし監督がメガホンを取り、『思春期ごっこ』などの未来穂香をヒロインに迎えたラブストーリー。ウクライナに実在する緑豊かな“愛のトンネル”を舞台に、20年という月日を超えて愛し合う恋人たちの悲恋を映し出す。『少女は異世界で戦った』などの小山田将が相手役を演じ、『電人ザボーガー』などの板尾創路らベテランが共演。運命の恋人たちのあまりにもやるせない物語が涙を誘う。
あらすじ
8ミリフィルムの儚い映像に、若き日の柏木一葉(未来穂香)が映っている。撮影したのは、23歳の松田圭(水野勝)だ。当時、高校の新任教師だった圭は、生徒である18歳の一葉に想いを寄せていた。両親との関係がうまくいっていない一葉にとって、圭は唯一の理解者だった。2人の禁断の関係は、いつしか校内で噂になってしまう。そんなある日、圭は一葉を誘い、ドライブに出かける。甘い幸福に酔う2人を、思わぬ悲劇が襲う。圭が運転するクルマが事故に遭い、一葉が昏睡状態に陥ってしまったのだ。一葉の父親(嵯峨周平)から強い叱責を受けた圭は、教師を辞めて町を出る。それから20年。43歳になった圭(小山田将)は、寂れた工場で働いていた。片時も一葉のことを忘れることなく、彼女を撮影した8ミリを繰り返し映写して眺める日々。当時、一葉が語ってくれた伝説があった。ウクライナのクレヴァニに緑に覆われたトンネルがあり、そこでキスをしたカップルは、願いが叶うというのだ。さらに、亡くなった人の生命が復活する奇跡のトンネルとも……。圭は決意する。一葉が行きたがっていたそのトンネルに行ってみようと。仕事を辞め、海外用の小型炊飯器を用意して、圭はウクライナへと旅立つ。彼が握るおにぎりは、一葉の好物だった。もう一度、彼女におにぎりを食べてもらいたい……。ウクライナからバスに揺られ、クレヴァニのトンネルに辿り着く圭。一葉からおにぎりのお礼に貰った思い出の小石を飾り、トンネルに向かって8ミリカメラを廻していると、奇跡が起こった。18歳の一葉が現れたのだ。記憶を失っている一葉に、おにぎりを食べながら20年前の日々を語る圭。次第に彼女の意識も蘇ってゆく。しかし、一緒に日本に帰ろうという圭の提案に、一葉は沈黙。圭は、この再会を永遠のものにするため、ある考えを実行に移す……。