BeRLiN 1995-12-23

監督: 利重剛
脚本:利重剛
公開:1995-12-23/製作:1995年    old
日本
 

解説

 ある女性を捜す人々を描く群像劇。テレビのクルーが取材する形式を取っており、回想部分はカラー、現在はモノクロ、取材内容はVTR画面により構成。風俗ドキュメンタリーを制作しているクルーが、キョーコについて人々へ取材を続けていた。キョーコとは二ヶ月前にいなくなったホテトル嬢だ。彼女は“壁”の破片の入った袋を大事そうに首からさげていた。キョーコに会いたくて通い詰めていたサラリーマンのオガタは、この取材に同行するようになり、彼女に関するいくつかの証言を得ることができた。キョーコと同じ事務所のレイコに案内され、アパートに向かった一行は、その部屋を訪ねてきた青年を見かけるのだが…。

あらすじ

風俗に関するドキュメンタリー番組を制作している撮影クルーが、キョーコをめぐる人々への取材を続けている。そのキョーコと名乗る女性は、ホテトル嬢の事務所に一年半ほど在籍し、二か月前に突然姿を消した。彼女は“壁”のかけらが入っているという袋をお守りのように首から下げていた。偶然見かけたキョーコにもう一度会いたくてデートクラブに通いつめたサラリーマンのオガタは、いつしかクルーの取材に同行するようになる。オガタたちはキョーコに関する様々な証言を集めていった。同じ事務所のレイコに案内されキョーコのアパートを訪れた一行は、その部屋にやってきた青年の姿を見かける。その青年はレイコも知らない男だった。すでに番組を完成させながらも取材を続ける面々を、プロダクション社長の山崎は理解できない。山崎の批判をよそに、オガタはアパートを張り込んで先の青年を捕まえる。鉄夫というそのペンキ屋の男は、深夜の街でキョーコと出会い彼女の部屋で暮らし始めたという。彼もまたふらりと出ていったキョーコの帰りを待ち続ける一人だった。ある日、山崎はオガタの部屋を訪ねる。オガタは会社を休んでキョーコの居所を捜し続けていた。憑かれたようなオガタの姿に、いつしか山崎も影響を受けていた。深夜、オガタたちはテレビの街頭インタビューでキョーコらしき女性の姿が映し出されたのを発見する。慌ててその現場へ駆けつけると、彼女を捜す鉄夫の姿もあった。彼女が去った方向を求めて彼らは追いかける。しかし結局キョーコを見つけることはできず、オガタは行き詰まった壁に頭をぶつけて泣くのだった。彼らとはぐれていた鉄夫はキョーコの幻を見ながら、彼女がいつも口癖にしていた「みんな、がんばれ」という言葉を叫ぶ。その時、壁の向こう側にキョーコが帰ってきていたようにも見えた。

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