善人の条件 1989-05-03

公開:1989-05-03    old
 

解説

 ジェームズ三木の初監督作品で、原作・脚本も務めている。撮影は坂本典隆、音楽監督を羽田健太郎が担当した。クリーンな選挙活動を目指す実直な立候補者が、様々な現実に直面し次第に崩壊していく様を描く。
 日暮市長の清川が愛人宅で腹上死したことをきっかけに、娘婿で大学助教授の牧原芳彦は次期市長選挙に立候補することになった。芳彦はクリーンな選挙活動を行うことを発表するが、スポンサーや後援者たちは難色を示す。芳彦の与り知らぬ所では、定石通りの腐敗選挙運動が行われていた。芳彦は妻や娘にはクリーンな活動をすると伝える。ところが、選挙戦のさなか、妻の房子が父である前市長の秘書・服部と密通しているとの怪文書が届く。それをきっかけに、芳彦の選挙活動は堕落の一途を辿り始めるのだったが…。

あらすじ

関東北部の地方都市・日暮市の市長が愛人宅で腹上死。娘・房子の夫で大学助教授の牧原芳彦が後継として清川芳彦を名乗り、次期市長選に立候補することになった。初めは気が進まなかったのだが、ライバルの柳田県議が金権候補で、しかも市全体に腐敗が漂っていたので自らクリーンな民主主義市政を目指そうと立ち上がったのだ。本人は清潔な選挙戦を展開するつもりだったが、腐敗した土壌がそれを許さなかった。元県警の捜査課長で選挙の神様と呼ばれる裏参謀の蟻田からは芳彦のために5千万円の金がばらまかれ、事務所には選挙ゴロや金めあての取り巻き連中、柳田側のスパイなどが出入りしていた。ある日、芳彦の妻・房子と事務所の出納係・服部の不倫関係を暴く怪文書が出回った。二人は幼馴染みで6年前にラブホテルで密会していたのだ。芳彦は婦人層の人気を失い、焦って自ら労働組合の買収に走った。心身共に疲れはてた芳彦に致命的な打撃を与えたのは、娘・悦子の自殺未遂。惨めな父親の姿と両親の不和に絶望したのである。自分を取り戻した芳彦は投票日前日の個人演説会で今回の腐敗した選挙戦で家庭が崩壊したことを告げ、このような土壌をつくった金に弱い有権者らに猛烈な批判を浴びせるのだった。

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