13階段 2003-02-08
解説
かつてケンカ相手を誤って殺してしまい3年の刑に服していた三上純一は、4ヵ月の刑期を残して仮釈放された。間もなく、純一のもとに彼が服役していた刑務所の刑務官・南郷正二がやって来る。南郷は、ある死刑囚の冤罪を晴らすための調査に純一も協力してくれるよう依頼する。被告・樹原亮は事件直後の事故で記憶を無くしてしまい、犯行を否認することもできず死刑が確定してしまったという。死刑執行まであと3ヵ月。躊躇する純一だったが、自分のせいで被害者への慰謝料の支払いに苦しむ家族を思い、1000万円という報酬に惹かれ引き受けるのだったが…。
あらすじ
傷害致死罪で3年の刑に服し、4ヶ月の刑期を残して仮釈放された三上純一は、服役していた刑務所の刑務主任・南郷に、ある死刑確定囚の冤罪を晴らす調査を手伝って欲しいと頼まれる。調査を依頼したクライアントの仲介役の弁護士・杉浦の提示した報酬は、一千万円。迷う三上だが、逼迫した家計の助けになればと、仕事を引き受ける。死刑確定囚の名は樹原亮。10年前、仮出所注に自分の保護司である宇津木夫妻を金目当てで殺害したとされているが、彼は事件直後の交通事故で犯行時の記憶をなくしていた。手がかりは、「階段を上っていた」という記憶の断片のみ。死刑執行まで残された時間はわずか、三上と南郷の“階段”探しは難航を極めた。そんな中、思わぬ事実が浮かび上がる。それは、事件当夜、三上が同じ町にいたことだった。恋人・友里と旅行に来ていた三上は、そこで自分が死に至らしめた佐村に友里をレイプされていた。7年後、佐村と偶然にも再会した三上は、彼を殺す。それは事故だったが、三上には殺意があった。南郷は三上に言う「殺意と殺人は違う……」。やがて、土砂に埋まった廃寺から“階段”と凶器が見つかった。ところが、その凶器から検出されたのは、三上の指紋だった。それは、三上を宇津木夫妻殺しの真犯人に仕立て、彼を死刑に追い込もうと目論む、樹原冤罪調査のクライアントである佐村の父の計画だったのだ。息子が犯したレイプ事件を知らない彼は、なんとしても三上に極刑を下したかった。しかし、真犯人は宇津木の知り合いであるホテルのオーナー・安藤と判明。安藤は、過去の罪をネタに宇津木から強請られていたのだった。こうして真犯人を見つけ出した三上と南郷は元の生活に戻り、一年後、再審の決定した樹原に無罪判決が下った。