ピーカン夫婦 2005-07-02
解説
外でしか体を許さない妻と皮肉屋で嫌われ者の音楽ディレクターの夫が織り成すエロスを描いた作品。監督は『プウテンノツキ』の元木隆史。『ばかのハコ船』『リアリズムの宿』の山本剛史が本作でついに商業映画初主演を飾っている。共演は篠山紀信の「アカルイハダカ」で衝撃のヌードを発表した、のはら歩。独自のリリカルな視点と確かな演出力で、至高のエロティシズムを描き出す。
あらすじ
レコード会社のディレクター尾藤(山本剛史)は、皮肉屋で社内でも浮いた存在。その偏屈な性格は、人を寄せつけず、社内では「尾藤童貞説」がまことしやかに囁かれていた。そんな尾藤でも、人並に悩みはあった。それは、人とうまく付き合えないこと。殻に引きこもった自分を打破して「真の俺」を手に入れたい。なんとか周りとコミュニケーションをとろうと目論む尾藤は、草野球チームを作る。チーム名は「フラストレーションズ」。社内掲示板に貼紙を出したり、バッティングセンターでスカウトしたり、新人歌手の売込みに来たマネージャーを誘ったり…。が、案の定人は集まらず、独り寂しくグラウンドでバットを振る日々を過ごすのだった。そんな折、グラウンドの奥の草むらで、日光浴をする一人の女(のはら歩)と出会う。しかも女は半裸だった。光子というその女に一瞬で心を奪われた尾藤は、その日のうちに女と関係を持つ。青空に祝福されながら、ふたりは激しく愛を交し合うのだった。その後、二人は結婚。尾藤は人が変わったように明るくなり、社内の評判も上がる。仕事も順調で、かねてから売込まれていた演歌歌手、花形さゆりを『半熟の女』という楽曲でデビューさせようと、久々に燃えていた。しかし、結婚から一か月、どうしたことか光子が夜の求めに応じてくれない。尾藤が問いただすと、毎週末天気が悪かったからだと言う光子。その意味が分からない尾藤。そして、光子による衝撃のカミングアウト。なんと光子は、「外」でしかできない女だった。