スローなブギにしてくれ 1981-04-07

公開:1981-04-07    old
 

解説

 片岡義男の同名小説と『ひどい雨が降ってきた』『俺を起こして、さよならと言った』を元に、内田栄一が脚色し藤田敏八が監督。南佳孝による主題歌が大ヒットした。
 ゴローとさち乃との出会いは第三京浜だった。白いムスタングから放り出されたさち乃を助けたのが、バイクで走っていたゴローだったのだ。二人は同棲を始める。またムスタングを運転していた中年の男も、奇妙な同棲生活を送っていた。さち乃はクイーンエリザベスという名のスナックで働き始める。ゴローは喧嘩をしてバイトを辞めてしまう。ゴローが家を出たため、さち乃は中年の男と会うことにするのだが…。

あらすじ

夕暮の第三京浜。白いムスタングから仔猫と若い女の子が放り出され、後ろから来たオートバイの少年に救けられた。こうして出会ったゴローとさち乃は一緒に暮しはじめた。ムスタングの男は、福生の旧米軍ハウスに住み、仕事仲間の輝男と敬子のカップルと同居している。敬子には、どちらが父親かわからない子供がいるが、今は妹の由紀江が面倒を見ている。三人は奇妙な均衡の中で暮していた。ある朝、輝男がジョギング中に心臓発作で死んでしまった。一方、さち乃は行きつけのスナック、クイーンエリザベスでバイトをはじめた。ゴローはバイト先で喧嘩して仕事を辞めてしまい、またさち乃と客の仲を嫉妬してふらりと何処かへ出かける。その寂しさからさち乃はムスタングの男に連絡を取り、季節外れの高原ホテルに旅行に出かける。実はムスタングの男がこのホテルに来た目的とは、別居中の妻との離婚の書類にハンを押すためと、子供のピアノの発表会を見に行くためだった。さち乃は、男が泥酔して帰って来たことと、子供から電話がかかってきたことから事情を察っするのだった。再びゴローとさち乃の生活が始まった。ある日、さち乃が作業服の男たちに強姦された。ゴローは、傷ついたさち乃に心無い言葉を投げかける。その後ゴローは、必死で男たちを捜して目茶苦茶に叩きのめした。ごきげんなゴローにさち乃は「あたしよりも仇を討つことしか考えないの」と咳く。たまらずさち乃は再びムスタングの男と会い、彼の家に身を寄せることになる。しかしそこには敬子と由紀江と赤ん坊が同居しており、さち乃はそんな生活に馴染めず、結局ハウスから去って行く。彼女が出ると同時に、敬子は男と別れることを決意し、由紀江と赤ん坊を連れて出ていく。消えたさち乃を求めて、ムスタングの男はゴローを訪ねる。ところがゴローは、例の作業服の男たちに襲われ、中へ割って入った男は腹を刺されてしまう。三ヵ月の重傷。病院に見舞いに来たさち乃は、今度こそキッパリと男に別れを告げるのだった。スナックでしょげているゴローのところにさち乃が戻って来た。素直に喜べないゴローに、マスターが選んだ曲は「スローなブギにしてくれ」。やがて再び夏が来た。さち乃はゴローの子供を身ごもっていた。そんな時、海から引き揚げられた白いムスタングには女の死体があった。助かった男に、刑事が女との関係を聞くと、男はこう答えるのだった。「拾った、今度は猫は連れてなかった・・・」

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