日本以外全部沈没 2006-09-02
解説
原因不明の大規模な天変地異で地球から、日本以外のすべての陸地が沈没した世界の混乱を描く異色SFパニック。作家・筒井康隆の同名原作を『いかレスラー』『コアラ課長』の河崎実監督が大胆不敵なセンスで映像化した。『あずみ』の小橋賢児、『カミュなんて知らない』の柏原収史ら人気若手俳優が未曾有のスペクタクルに挑むほか、村野武範、藤岡弘といったTV版と1973年に製作された映画版『日本沈没』で主役の小野寺俊夫を演じた2人が顔を合わすなど、心憎い演出にも注目。
あらすじ
アメリカの9.11同時多発テロから10年後の、2011年。原因不明の大規模な天変地異によって、アメリカ大陸が一週間で海に沈んだ。世界各国が合衆国からの難民を受け入れたものの、犠牲者の数は天文学的数字に。ペピトーン合衆国大統領と政府首脳はエアフォースワンで脱出、日本の沖縄米軍基地にやってくる。また、ハリウッドのトップ・スター、ジェリー・クルージングと妻のエリザベス・クリフトも、自家用ジェットで日本への移住を果たした。一週間後、中国大陸が沈没を始め、その一週間後にはユーラシア大陸すべてが沈没。その2日後にはアフリカ大陸、さらに翌日にはオーストラリア大陸が沈没。結局、数週間で地球から日本以外のすべての陸地が沈没してしまった。やがて、小さな日本列島に次々と命からがら生き延びた避難民たちが押し寄せた。食料は不足し、物価は高騰、失業率も急上昇し、日本は大混乱となった。外国で裕福な暮らしをしていた者や、高いポストに就いていた者たちも、日本では仕事がなく、極貧生活を強いられるようになった。そして、外国人犯罪が驚異的に多発する。海外からの大物芸能人たちは、最初こそはもてはやされたが、彼らの出演しているTV番組はすぐに視聴率が低迷。また、捕鯨禁止を訴える国がなくなったため、鯨が自由に食べられるようになり、英会話学校はすべて倒産。外国人向けの日本語学校が繁盛した。新聞記者“おれ”(小橋賢児)の妻キャサリンは、アメリカ人だった。“おれ”が無神経な言動で外国人蔑視を強めるのと比例して、キャサリンの“おれ”への愛情は冷めていった。やがてキャサリンは“おれ”と別れ、落ちぶれた彼女のかつてのヒーロー、ジェリーと出会う。