罪の余白 2015-10-03
解説
第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞した芦沢央の小説を基に、娘の死の真相を知ろうとする父親と人気者の女子高生との攻防を描くサスペンスドラマ。男手一つで育てた娘が学校で転落して亡くなり、どうして死んだのかを調べている男が、美しく邪悪な女子高生に振り回されるさまを映す。監督は、『Girl’s Life』などの大塚祐吉。出演は『臨場』シリーズなどの内野聖陽と『ゆめはるか』などの吉本実憂のほか、谷村美月や加藤雅也ら。繊細かつ過激な女子高生の行動に衝撃を受ける。
あらすじ
名門女子高校に通う安藤加奈が、教室のベランダから転落して死亡した。目撃したクラスメートたちの証言によると彼女が自ら手すりに登り、突然飛び降りたという。妻に先立たれ父娘二人で仲睦まじく生きてきたつもりの父・安藤聡(内野聖陽)にとって、娘の死は受け止めることのできない現実であった。なぜ娘は死んだのか。大学で行動心理学を教える安藤は、加奈の異変に気付けなかった自分を責め続けていた。そんな折、娘の死に涙する笹川と名乗る美しいクラスメートが現れ、加奈が日記をつけていたことを知る。その日記には、咲という少女に追い込まれていく加奈の悲痛な叫びが刻まれていた。安藤は、咲の手掛かりを掴もうと笹川に会いに学校へ行くが、実は笹川と咲は同一人物であった。その少女、木場咲(吉本実憂)は、学校内でもとびぬけて目立つ存在で、教師からの信頼も厚くスクールカーストの頂点に君臨していた。咲の周囲には、彼女に憧れる友人グループがあり、その中の一人が加奈であった。友人を手下のように扱い、教師や警察の心までも狡猾に操る咲。やがて彼女は自らの罪を隠蔽するために、安藤を罠に陥れようと計画する。そんな中、ことの真相を知った安藤は咲に復讐を誓うが、咲に罪を認めさせようとするほど、逆に彼女の策略にはまっていくのだった。娘だけでなく、仕事や社会的信頼を失い、安藤は徐々に追いつめられていくが……。