ザ・スクエア 思いやりの聖域 2018-04-28 THE SQUARE
解説
『フレンチアルプスで起きたこと』などのリューベン・オストルンド監督が、第70回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した風刺劇。美術館のキュレーターが遭遇するさまざまなトラブルを通じて、現代社会の問題を辛辣な笑いと共にあぶりだす。クレス・バング、ドラマシリーズ「ザ・ホワイトハウス」などのエリザベス・モス、ドラマシリーズ「アフェア 情事の行方」などのドミニク・ウェストらが出演している。
あらすじ
スウェーデン・ストックホルム。洗練されたファッションに身を包む、著名な現代アート美術館のキュレーター、クリスティアン(クレス・バング)は、周囲の尊敬を集め、そのキャリアは順風満帆。離婚歴があるが、2人の娘の良き父であり、電気自動車に乗り、慈善活動を支援している。そんな彼は次の展覧会で「ザ・スクエア」という地面に正方形を描いた作品を展示すると発表。それは、すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われるという“思いやりの聖域”をテーマにした参加型アートで、現代社会に蔓延るエゴイズムや貧富の格差に一石を投じる狙いがあった。ある日、携帯電話と財布を盗まれてしまったクリスティアンは、GPS機能を使い犯人の住むマンションを突き止めると、全戸に脅迫めいたビラを配って犯人を炙り出そうとする。その甲斐あって、数日経つと無事に盗まれた物は手元に戻り、彼は深く安堵するのだった。そんななか、美術館の宣伝を担当する広告代理店は、お披露目間近の「ザ・スクエア」について、画期的なプロモーションを持ちかける。作品のコンセプトと真逆のメッセージを流し、故意に炎上させて情報を拡散させるという手法だった。その目論見は見事に成功するが、世間の怒りはクリスティアンの予想をはるかに超え、皮肉な事に「ザ・スクエア」は彼の社会的地位を脅かす存在となっていく……。