リプリー 2000-08-05 The Talented Mr. Ripley
解説
富豪の放蕩息子になりすます貧乏青年の姿を描くサスペンス。原作はパトリシア・ハイスミスの小説『リプリー』(角川文庫刊)で、ルネ・クレマン監督の「太陽がいっぱい」(60)に次ぐ2度目の映画化。監督・脚本は「イングリッシュ・ペイシェント」のアンソニー・ミンゲラ。撮影のジョン・シール、音楽のガブリエル・ヤレドは「イングリッシュ・ペイシェント」に続く参加。出演は「ドグマ」のマット・デイモン、「イグジステンズ」のジュード・ロウ、「恋におちたシェイクスピア」のグウィネス・パルトロウ、「エリザベス」のケイト・ブランシェット、「ハピネス」のフィリップ・シーモア・ホフマン、「キャリア・ガールズ」のジャック・ダヴェンポートほか。
あらすじ
1958年、ニューヨーク。貧乏青年トム・リプリー(マット・デイモン)は、日銭稼ぎのピアノ伴奏のために赴いたガーデンパーティで、造船業界の大物ハーバート・グリーンリーフ(ジェームズ・レブホーン)と知り合う。彼はイタリアで放蕩生活を送る息子ディッキー(ジュード・ロウ)を連れ戻してほしいとトムに頼んだ。早速ナポリへ飛び、ディッキーに会うトム。作家の卵のマージ(グウィネス・パルトロウ)と豪奢な同棲生活を送っていたディッキーは、父からの命令を聞いて迷惑がるが、トムがジャズ・ファンと知るや、彼をクラブに連れ出す。全てが物珍しいトムをセイリングやジャズクラブに連れ回して遊び回るディッキー。やがて、トムはひそかにディッキーに愛情を抱くようになる。だが、ほどなくディッキーは彼を邪魔者扱いしはじめ、やがて父親からトムを解任する旨の手紙が来たのを契機に、ディッキーはトムに決別を宣言。お別れにサンレモへ小旅行に出かけたふたり。だが、ボートで海上に出たところ、言い争いになり、はずみでトムはディッキーをオールで撲殺してしまった。死体とボートを沈めた彼は、ホテルのフロントでディッキーに間違われたことで、ある計画を思いつく。自分がディッキーになりすますのだ。マージにディッキーから預かったという別れの手紙を渡し、ローマではひとり二役で別々のホテルに宿泊。そんなトムをディッキーの旧友フレディ(フィリップ・シーモア・ホフマン)が怪しみはじめたが、トムは彼を事故死に見せかけて殺害した。いっぽう、ローマではイタリア行きの船中でディッキーと偽って知り合った名家の令嬢メレディス(ケイト・ブランシェット)と再会。トムは彼女をエスコートしていたピーター(ジャック・ダヴェンポート)と知り合い、やがてお互いに好き合う仲に。トムがディッキーを殺したとにらみ、グリーンリーフ氏を呼んで捜査をはじめたマージの追及も逃がれ、ピーターとふたり船旅に出るトム。だが、船内でトムは何とメレディスに邂逅。彼女はいまだ彼がディッキーだと信じており、ピーターと会うと真相がばれる。かくしてトムは、愛するピーターをわが手にかけるのだった。