マイティ・ハート/愛と絆 2007-11-23
解説
2002年にパキスタンで取材中にテロリストに誘拐、殺害された実在のジャーナリスト、ダニエル・パールの妻が著した手記を映画化した社会派ドラマ。事件の真相、夫への愛をつづった原作に感銘を受けたブラッド・ピットが製作を務め、妊娠しながらも懸命に夫を捜す妻をアンジェリーナ・ジョリーが熱演する。監督は、『グアンタナモ、僕達が見た真実』のマイケル・ウィンターボトム。その衝撃と感動のドラマは第60回カンヌ国際映画祭で絶賛され、大きな話題を呼んだ。
あらすじ
<9.11>の翌日、ダニエル(ダン・ファターマン)とその妻マリアンヌ(アンジェリーナ・ジョリー)は、パキスタンに到着した。二人はジャーナリスト同士であり、ウォール・ストリート・ジャーナルの特派記者であるダニエルは、アルカイダと関わりある人物との接触を試みようとしていた。この取材を終えた後は、妊娠5ヶ月の妻とともに帰国する予定だった。しかし、予定の時刻を過ぎてもダニエルは戻らなかった。行方不明となった真相を探るため、アメリカ領事館の外交保安担当者をはじめ、パキスタンのテロ対策組織のリーダー、ウォール・ストリート・ジャーナルの上司、そしてFBI捜査官などが次々にマリアンヌのもとへ集まってきた。やがて、現地の新聞にはダニエルをスパイ扱いする記事が掲載され、拘束された写真がメールで送られてくる。記者を装ったCIAのスパイとして誘拐され、人質となっていたのだ。犯人側は身柄の引き渡しと交換にジェット機を要求してきた。夫のスパイ容疑をはらすために、テレビ出演するマリアンヌは訴える。「私は6日間、眠っていませんが、まだ希望はあります。彼を愛しています」次第に、ダニエルの足取りが解明されていく。浮かび上がってきたのは、パキスタンのテロ組織だった。ダニエルはテロリストによって誘拐され、「価値の高い人質」とされてしまったのだ。不安と焦燥の中でも、気丈に振る舞うマリアンヌ。しかし、FBIによる必死の捜索の甲斐もなく、ダニエルが処刑される模様を撮影したビデオが届く。世界で最も愛する夫を失ったマリアンヌは慟哭する。翌日、その事実を報告するためもういちどテレビ出演するマリアンヌ。それは、自身もフランスのラジオ局で記者をつとめていた彼女の矜持だった。やがて、ひとりで出産を終えた彼女は、生まれた息子にアダムと名付ける。それは、生前のダニエルと決めていた名前だった。