平成無責任一家 東京デラックス 1995-01-28
解説
「月はどっちに出ている」でタッグを組んだ監督の崔洋一と主演の岸谷五朗が手がけたコメディ作品。崔と共同で脚本を執筆した鄭義信と美術を担当した今村力も「月はどっちに出ている」に引き続き起用された。音楽は東京スカパラダイスオーケストラ。
飴屋の一家は詐欺集団で、母親のマツを筆頭に腹違いの兄弟が四人と長男の妻、そしてマツの内縁の夫がともに暮らしていた。選挙トトカルチョに失敗し6000万円の借金を抱えた一家は、一攫千金を夢見て東京へ移ることにするが、マツに金をだまし取られた三人の親戚が乗り込んでくる。家族は三人も巻き込み詐欺稼業を再開、浅井正道・キク夫妻が経営する理容店に居座ってしまう…。
あらすじ
飴屋家の人々は一家揃っての詐欺師。結婚と離婚を繰り返す母・マツのもとには父親の違う兄弟が四人いて、いまは気の弱い年下の愛人・君夫が父親がわりである。故郷で企てた“選挙トトカルチョ”が失敗し、夜逃げ同然で四国から大都会・東京へ移ることになった飴屋一家は、マツに金を騙し取られた親戚三人も巻き込んで、次男の実を中心にして詐欺行為を再開する。手始めに三男の進がコマしたツアコンの女の実家“バーバーあさい”の老夫婦を騙くらかして、一家はそこに居候を決め込んだ。様々な人物になりすました実は、オカマ・バーのママ・恭子、フィリピンパブのママ・ルビー、広尾の懐石料理屋の女将・秋子、そしてサイケデリッククラブのママ・ローザと次々に詐欺の仕込みを開始する。一方、残った一家もニセの金の延べ棒作りなど、内職に精を出していた。全てがうまくいきそうに見えたが、長男の敬が計画した“冷凍精子バンク”の詐欺がバレて、敬がアマゾンへ旅立ってしまったのをきっかけに、四男の純が悪徳エスコートクラブにひっかかったり、君夫が秋子と駆け落ちしてしまったりと災難が次々とふりかかる。まとまらない一家に嘆く実は、金の延べ棒を使って自分が仕込んでおいたカモから金をせしめる大計画を一気に実行に移した。見事詐欺に成功した彼らは、3000万という大金を手中に収めるが、その金を持って純がアメリカにいるという実父を探しに家出する。ショックの一家は立ち直れないように思えたが、純が騙されたエスコートクラブを反対に騙す計画を実が思いつき、早速実行に移した。まんまと大金をせしめた一家は、晴れて四国の故郷に母・マツの遺骨(?)を携えて戻るのであった。