新釈 四畳半襖の下張り 2010-10-01
公開:2010-10-01/製作:2010年
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あらすじ
昭和7年、東京深川。曽根子は歓楽街として賑わうこの町で生活する芸妓のひとりだった。12歳の時にたった50円の前借と引き換えに奉公に出され、松戸で百姓をする家族を養うために芸者になった女である。
そんな曽根子を、佐賀町の有名な米問屋榎木屋の息子・光三がある座敷で見初めた。光三はほうぼう手を尽くして、待合ふじ屋の女将・志乃をあいだに立てて曽根子と一夜をともにした。そして光三は曽根子を身請けする決心をした。いずれは本妻に迎えるという光三を簡単には信じられなかったが、「その気持ちが本当なら、私の心は七たび生まれ変わってもあなたのもの」と呟くのだった。
翌年の夏、光三は本所に家を借りて曽根子を住まわせていたが、彼女の留守中、女中の水絵と無理やり関係を持った。光三は水江にも家を持たせ、そちらに入り浸るようになる。傷つき絶望した曽根子は自殺を図る…。