西部の男 1951-01-11 THE WESTERNER
解説
1880年代のテキサス、移民と在来地主との争いは絶えず、判事でなおかつ牧場主でもあったロイ・ビーンは強引なやり口で新興農民を退けようとし、仕返しに危うくリンチされかかる所を、流れ者のコールの仲裁で助けられた。お蔭でその年は豊作となったが、感謝祭の日、判事は焼き打をかけ、怒ったコールは、副保安官となって判事と対決する。
あらすじ
1880年代のテキサス。牧畜業者の天国だったこの土地へ、新天地を求める農民が移住して来るようになってから両者の間には常に闘争が絶えなかった。土地の実権を握るロイ・ビーン判事は、酒場の経営者で、牧畜業者の後盾として農民に迫害を加えていた。馬泥棒の嫌疑で捕えられたコール・ハードンは、判事が女優リリー・ラングトリーに憧れを抱いているのを知ると、自分はリリーの髪の毛を持っていると偽って、その髪を欲しがる判事に判決を保留させることに成功した。牧童の横暴に憤激した農民が、判事に私刑を加えようとした時、コールは両者を調停し、リリーの髪の毛を与えることを条件に、牛群を農民の土地以外へ移させることを、判事に約束させた。コールは、マシューズ老人の娘ジェーン=エレンから髪の毛を貰い、リリーのものと称して判事に渡した。牛の害もなくなり、その年は豊作であった。感謝祭の当日、農民たちはダンスに興じたが、その虚に乗じて、判事は牧童を率いて農場や作物に焼き打ちをかけた。騒ぎにまきこまれ、マシューズ老人は非業の死をとげた。焼け跡で、断じてこの土地は棄てないと言いきるジェーン=エレンを見て、コールは判事の酒場に馬を走らせた。リリーが近くに興行に来るというので前景気をあおっていた判事の酒席に乗込み、コールは、判事に焼き打ちの責任を自白させ、更にその足で保安官を訪ねて、判事の逮捕状を発行させると共に、自ら副保安官となり判事の捕縛に向かった。判事はリリーの公演の切符を買占め、唯1人劇場にはいって行った。幕が開くと、舞台に立っていたのはリリーではなく、コールだった。烈しい拳銃戦が展開され、ついに判事は、コールの弾丸によって、憧れのリリーの足許に倒れて息絶えたのだった。