Endless Waltz エンドレス・ワルツ 1995-10-07

監督: 若松孝二
脚本:新間章正,出口出
公開:1995-10-07/製作:1995年    old
日本
 

解説

 稲葉真弓の小説「エンドレス・ワルツ」を映画化。29歳で亡くなった天才的サックスプレイヤー阿部薫と、女優であり作家でもあった鈴木いづみの愛憎劇を描く。1973年、新宿。渾沌とした街の片隅で宿命的な出会いをしたイヅミとカオル。天才的アルトサックス奏者といわれたカオルは、酒とクスリ漬けの日常の中でイヅミを求めていた。二人は結婚するが、カオルのクスリは切れず、激しい喧嘩と愛欲の日々が続く。やがて娘が生まれ、平穏な家庭を築いたように見えたのだったが…。

あらすじ

作家・鈴木いづみは出版社から、伝説のサックス奏者で、いづみの夫だった阿部薫の伝記執筆の依頼を受けた。いづみと薫が初めて出会ったのは、学生運動の盛んな70年代の新宿ゴールデン街のバーだった。サックスの天才を自称する薫は、いづみに一目惚れ。強引にいづみのアパートに転がり込んで来てしまう。二人は、酒とクスリとセックスと芸術論の日々に溺れ、やがて結婚する。だが、その無軌道な生活ぶりは治ることはなく、むしろひどくなるばかりだった。特に人一倍嫉妬深い薫は、いづみの過去の男の江田とのことや創作上の意見の食い違い、ライヴ活動と自分の音への追求のいきづまりなどからすぐにヒステリーを起こし、いづみに暴力さえふるうようになる。また、持病の癲癇に悩まされたり、プロデューサーのノブ子と浮気したり、果ては精神病院送りとなってしまうのだった。そんな彼を見て次第に現実に目覚めていくいづみ。彼女は自分の仕事と生まれたばかりの娘を守るため、ついに彼を家からたたき出す。しかし、いづみにとって薫のいない生活は空虚そのものだった。だから突然舞い戻って来た薫を、いづみは再び迎え入れてしまうのであった。ところがある晩、仕事中のいづみは隣室で薫が絶叫と共に倒れているのを発見。急いで病院へ運び、懸命に看病したが、薫はそのまま帰らぬ人となってしまう。それからのいづみは精神に異常をきたし、薫の幻を見るようになる。86年の秋。出版社の原稿の催促に、いづみは今も続いている彼との関係を過去のものとして書けないと言い残し、7歳になった娘が眠るベッドの横で首を縊った。それから10数年後、成長した娘は両親との写真を見つめ、微かな記憶に思いを馳せるのだった。

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