鍋島怪猫伝 1949-08-23

公開:1949-08-23    old
 

解説

 殺された主人の血をなめた猫が、化け猫となって仇を討つという怪談物語。佐賀藩主が囲碁の対局中に、ささいなことで坊主を無礼討ちにした。以来、城には怪異が出現するようになる。重臣・半左衛門は、事件を調査していくが……。戦後の厳しいGHQ統制の中で製作された怪猫もの。

あらすじ

鍋島城下には怪猫が現われるといううわさがしきりであった。そして御城下には変化の仕業らしいという奇怪な事件が続いていた。そのころ金兵衛のところへ城内の上役田沼勘太夫がやって来て、立派な碁盤があるのに目をつけ殿に献上しろと進めるが、金兵衛は因縁がある碁盤だけに仲々肯じないが、遂に献上する事にきめる。この碁盤を見た丹波守はしごく御満足で差し手のうまい龍造寺又七郎を御所望になる、又七郎はさっそく参上したが碁盤を見た瞬間顔色が変った。この碁盤こそ彼の父とその友の争い碁となった龍造寺家没落の因を作った因縁深きものだけにしりごみするが、丹波のすすめで差し始める。だが次第に争い碁となり、遂には又七郎は殿に無礼なる言葉を浴せ、争いになり小柄を握った丹波守。倒れたのは又七郎だった。そして碁盤の上には小ねこが眼を光らしていた。それからというもの殿は平生の病弱な身に、うわさの化猫にとりつかれて次第に身心ともに衰弱して来る。こんな様子をほくそえむのは勘太夫だった。彼は殿をなきものにしようと、碁盤を活用し、又七郎の恋人お豊をめかけにさせて殿の死を待っているのだった。だが連夜この勘太夫も又七郎の亡霊になやまされ、殿は神経質になり、ねこをみては騒ぎ立てるので御城下にねこがりの布が出る程、城内、下を問わず怪猫のうわさでおののいていた。だが殿中で一番殿の信用のある家老小森半左衛門は勘太夫が足軽などに悪いうわさをわざとさせていることからして、くさいとにらみ、まず金兵衛の話で、又七郎の死がいが壁土の土舟の中から出たこと、また柳全から又七郎は勘太夫の悪計で殺されたことを聞き驚く。さっそく小森はお豊にこのことを伝え殿から引き離し、今は陰謀がはっかくした田沼一味は小森らにあっけなくつかまり、怪猫のうわさで恐れをなした城下も平穏になる。

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