マシニスト 2005-02-12 The Machinist
解説
1年間眠っていない男が体験する悪夢のような世界を描き、2004年のサンダンス映画祭やベルリン国際映画祭など多方面で絶賛されたサイコ・サスペンス。暗号めいた数字や記号を随所に散りばめ、衝撃的な物語を作りあげたのは、『ワンダーランド駅で』『セッション9』の鬼才ブラッド・アンダーソン。主演は、『バットマン・ビギンズ』に抜擢された若手実力派クリスチャン・ベイル。約30キロ減量して挑んだ鬼気迫る演技にオスカー候補の呼び声も上がっている。
あらすじ
工場で機械工として働くトレヴァー(クリスチャン・ベイル)は、原因不明の極度の不眠症ですでに365日眠っていない。体も生ける屍のように痩せ細っている彼は、ある日、アイヴァン(ジョン・シャリアン)という大男と出会う。その日から奇妙な事件が次々と起こり、工場ではアイヴァンに気を取られたトレヴァーの不注意で、同僚のミラー(マイケル・アイアンサイド)が片腕を失ってしまう。そして今度はトレヴァーが作業中に腕を切断しそうになる。しかも同僚たちは誰もアイヴァンの存在を認識していない。トレヴァーはお気に入りの場所である空港のカフェの優しいウェイトレス、マリア(アイタナ・サンチェス=ギヨン)と、彼女の息子と共に遊園地に行くが、そこでも少年が持病の癲癇で倒れる奇妙な事故が起こった。やがてミラーの事故がきっかけで同僚たちとの折り合いが悪くなっていたトレヴァーは、工場をクビになる。彼は自分を陥れる陰謀を感じた。そして謎の男アイヴァンを再び見かける。トレヴァーはアイヴァンの乗っていた赤い車のナンバープレートを突き止めるが、なんとその車の登録はトレヴァーだった。混乱した彼は親しい娼婦スティーヴィー(ジェニファー・ジェイソン・リー)の部屋を訪ねるが、ベッドの横に、アイヴァンとミラーが一緒に写っている写真を発見する。スティーヴィーは、その写真はトレヴァーが置いていったものだと言う。衝撃を受けたトレヴァーはついにアイヴァンを捕まえて殺害するが、アイヴァンの姿は消えない。実はトレヴァーは、マリアの息子をひき逃げして殺害しており、その罪の意識が不眠症と幻覚を引き起こしていたのだ。そしてトレヴァーは警察に自首することで、ようやく眠りにつけるのだった。